映画「シン・ゴジラ」

夏休みに観てきました。正直、この企画を聞いた時からあまり期待していなかった
わけです。それより新劇のエヴァの方をなんとかしろと、そう思ってたのですが。
期待値が低かった分もあるかもしれないですが、非常によかったです。久々に何度も見返したくなりました。
そしてなぜか同時に、パトレーバーの劇場版を見たくなった訳です。似たような構図といってしまえばそれまでなのですが、押井作品と庵野作品の味わいの違いを楽しみたいというような感じです。
あとは踊るシリーズも少し見返したくなりました。この辺りの共通項といえば「決まらない会議」。(エヴァと踊るについては、1つの要因に音楽がインスパイアを受けて似たようなトーンということもありますが)、会議のシーンは日本人的なカタルシスでもあるのではないかなと思う訳です。ひいては、それは日常的に社会人であれば体験していることで、こういうった映画に出会うとすごく腹落ちするというか、溜飲が下がるわけです。
良かった要因はそれだけではないですが、あとは、どうしても震災の記憶が頭を過る部分があり、教訓的に形を変えて残っていくことは単純に良いことだなとは思いました。その反面、子どもに見せるタイミングはやや躊躇うところがあります。長男は4歳ですが、今見せてもそれなりに楽しむかもしれないですけど、震災のこととか諸々語れるような時に見るのも良いのかもしれないなと。
そんなわけで、早々何度も映画を見に行ける感じでもないので、Blu-rayが出るのを楽しみにしています。

初入院と初手術

齢33にして初めての入院と手術をしました。
痔ろうという初めて聞いたおしりの病気でした。病状としては日常生活には支障もなく重症ではないので放置でもよかったのですが、後々重症化したり、他の病気の遠因になりかねないので、体力があるうちにやっておこうと思い入院・手術しました。いくつか思うところがあったのでメモ。
・麻酔はすごくてやっぱり不安
下半身麻酔をしたのですがまったく身体が動かなくなり、単純に感動すら覚えたのですが、数日痺れが残ったり、リスクも不安も残りました。しなくて良いならしない方がいいんだろうなと。
・手術は流れ作業
完全にまな板の上の鯉。まるで工場で修理される家電の一部みたいな感じ。上半身は麻酔が効いていないので医者の会話を聞いたり、自分の肉が焼ける臭いがしたり(おそらくレーザーメス)。手術室は低音量で音楽が流れていて、あまり緊張感がなかったのが意外でした。
・相部屋は避けられるなら避けた方が良いかも
個室の料金が多少高かったのもありますが、ものは試しと6人部屋で過ごしました。入院した病院は同じ症状の人だけではなく、それなりに別の病気でそれなりに重症の方もいらっしゃったりしたものですから、会話などを漏れ聞いてしまうと、結構凹むものがありました。息子の寝息でも寝られない事がある自分としては、他人の寝息が聞こえる状況での就寝は結構大変だったので(それを見越して耳栓はもっていったけども)、懐事情が許せば個室をとった方がストレスは少ないのかなと思いました。少なくとも自分の場合は。
・看護師は大変
看護師さんの働きを目の当たりにするのですが、看護の領域が様々で「遠慮無く言ってくださいね~」とは言われるものの、看護師さんの出動具合(ナースコールでの呼び出し)を見ていると結構躊躇します。もちろん身体不自由な時は色々お願いしましたが、最後の方は「若いししっかりしてるから~」ということで薬やら何やら諸々自己管理に移行しました。その方が気が楽でしたけど。少子高齢化でますます病人の老人が増えて、看護師の成り手が少なくなるといった今後の病院の様子を想像すると、今でもかならりブラックな印象があるのに、かなり空恐ろしいものがあります。基本的には病気にならずいることがベストなんでしょうけど。いろいろ検診は受けてみようと思った次第です。

映画「インターステラー」

前評判がよかったのと、予告で気になったので見に行ってきました。
あまり見る環境としてはあまりよくなかったけど(最前列で、隣の人が汗臭かったりと)、約3時間楽しむことができました。中だるみもなく、ちょっと詰まりすぎな感じもしますが、調度良いスピードで時間旅行をした気分です。映画じゃなくてドラマでも良かったかもしれません。とても濃密でした。
単純なSF映画ともいえますし、親子愛あるいは家族愛をテーマとした部分もあり、まぁ特に親と子の下りは涙腺を刺激するわけですけど、人間ドラマもあり、もちろんノーラン監督ならではのストーリーの”仕掛け”もワクワクさせるものでした。最後も想像の余地を残した心地良い余韻が漂うものでした。
強いて難点をいえば、音楽がやや苦手でした。良い音楽ではあるのですが、インセプションの時もそうでしたが、個人的には情報量が多すぎてちょっとつらいものがあります。ここぞというドラマの展開の時に、「どーん」と洪水のように容赦ない音圧で流してくるものですから、身を任せればそれはそれで心地良いかもしれません。耳の弱い自分としては流される前にちょっと避けてしまいます。(感情移入が途切れるといいますか)
あとは好き不好きですけど。個人的にはインセプションの方が好みかなぁ。

デザフェスについて

ふらっとデザフェスに行ってきました。それなりに収穫(情報だけ)もありホクホク。

デザフェスはデザインフェスタの略ですが、イマイチ名称がしっくりきていません。デザインといいつつ、出展しているものは多種多少で、音楽のライブイベントなどもあります。多少の商売気もあるので、個人的には大人の文化祭のようなモノだと思っています。他のデザイン系イベントより、わりと好きです。そんな内容ですから、どちらかというと「アート」や「クラフト」の方がしっくりくるのですが、まぁなんとなくデザフェスで定着しているので、他に適当な名前があるわけでもなし、致し方ないかなと。

ここ数年、デザフェスに顔を出すことが多いです。元々、妻の知り合いが何人か出てることもあり挨拶がてら行くことが多かったのですが、昨今の絵や雑貨の事情といいますが、流行り廃りであったり、気になる作家さんをチェックしたりと、どこかのバイヤーかというくらい名刺をもらってきたりします。ゆくゆくは雑貨屋でもやるんじゃないかと思うくらいです。

こういうイベントに出ると、刺激を受けて自分の表現欲が高まっていくのもあるのですが、自分の趣味嗜好や価値観の傾向を知る、良い機会だと思います。何が好きで、どんものにぐっとくるのか。なんせ出展の数が多いものですから、琴線に触れているかを瞬時に判断していくことになります。感覚を研ぎ澄ますという意味では結構大事な作業かなと思いました。

映画「思い出のマーニー」

あまり期待していなかったせいか、とはいえ周囲の評判はよかったのですが、その評判通り良い映画でした。やや設定オチの感がありますが、原作は児童文学でしたし、流れに身を任せてみてほどよく涙を誘われたのは好印象でした。
しかしながら、このストーリーの型というかはどこかで聞いたことがありまして、むしろこの作品は原型かも知れませんが、似たようなストーリーを小説かテレビドラマか何かの映画で聞いていたかもしれないですし、もしかしたら原作を読んだことあるのかもしれないとさえ思っています。単純に思い出せないだけですが、「そういえばどこかで聞いたなぁ」という思いが日に日に増してきています。
当初、ダブルヒロインということで百合映画かと騒がれていましたが、まったくそういうことではなくて、ヒューマンドラマあるいは家族愛に満ちたストーリーでした。
関心したのは脚本で、随所に伏線を張り巡らせながら、時にはトラップもあったりして、こちらも程よくストーリーの結末を予測しながら(謎解きをしながら)見ることが出来ました。個人的にはある程度前半で結末を予感させるフリに気づいたのですが、これはこれで脚本に上手く乗せられているのかもしれないです。
アニメーションはアリエッティに引き続き秀逸で、とくに主人公がよく転んだり倒れたりするのですが、多少大げさにコミカルに表現されていたと思います。細かいところのツッコミがありますが(それなりの年頃の娘が道端で倒れてたら普通はもっと心配するだろうけども)、米林監督の演出の「色」なんだろうなぁと思いました。
音楽の印象はそこまで強くなく、もう少し主張があっても良かったかなと思います。
音でいうと声優陣は絶妙な人選だったなと思います。ただの話題性ということではなくてとてもフィットしていたと思います。特に特徴的だったのは第3のヒロインの女の子。どこかで聞いた声だなぁと思ったら、最近の露出だとテレ東のドラマの「なぞの転校生」やauのCMに出演している子でした。すごく耳に引っかかるので、声の仕事も増えていくのかなぁと勝手に予感しています。
さて、これで宮崎監督以外はオリジナルの原作はないわけですが、ジブリもディズニーと似たような状況で、文学などを借景しながら映画作りしていくのがメインのパターンになっていくのかなぁと感じています。宮崎監督の存在が強すぎるので、ジブリでオリジナルの原作というのはなかなか難しいと思います。