本「水使いの森」

半分ジャケ買いだったのですが、3部作の「幻影の戦」「叡智の覇者」を少しずつ読み進めてようやく読了。いろいろ感想はあるものの満足度は高いものだった。

まず、感じるのはゲーム特にファイナルファンタジーの影響で、予想通り2巻目の解説で明らかになる。ネガティブな意味ではなく、FFを想起しつつも世界観の構築がしっかりしているので、このまま映画化やゲーム化があっても良いんじゃないかと思うくらい。もともとFFもいろんな神話を下敷きにしている面もあるので、結果的に万国感のあるものになっている。描写や言葉遣いからオリエンタルな感じはあるが、想像の余地はあった。

しかしながら、時々描写が非常に細かく書き込まれている部分がある。著者の一人が写真家であるがため、という解説にもあったが、それは関心する部分ではあるけども、少し戸惑う部分でもあった。というのも、いったん「こうかな?」と想像はしてみるものの、あとで補足の描写があると、少し修正が必要なことがあった。おそらく筆者達には確固たるビジュアルがありそうで、そうであるなら、ますます映画化やゲーム化を期待してしまう。そんな話はなさそうだけど。

ストーリーとしては、様々なタイプのバディ(二人組)を大小のストリートを織り交ぜながら、ざっと3軸くらいのストーリーラインを進めていき、後半はアザーサイドから伏線を回収しながら進んで行き、大団円に向かっていく感じ。図表化したら結構きれいにまとまっていそうな気がする。緻密な設計・計算をしていそうな印象もある。

あまり、こういうタイプのストーリーは読んでこなかったので、いろいろ手にとってみようかなとも思う。

中学受験を考える

昨年末頃、長男が「中学受験をしたいかも」と言い出し色々調べてみたり考えてみた。

先に結論としては受験はしないことになったが、せっかくいろいろ考え整理したのでメモ書き。

彼が志望したのは公立の中高一貫でなにやら友達が受けるからと感化されてのことだった。それはそれで動機としてはありだとは思っている。長男としてはモデルケースが周囲に無いのと、親は田舎育ちで中学受験には馴染みがない。あと家計的には私立は考えにくく、個人的には先々、大学受験で同じ競争に入るはずなので、どちらもあまり変わらないという印象だ。それに大学に進学したとしても、その先の振る舞い次第で人生はどんどん変わるから、とりわけ大学受験を最終目標にしまうのはあまり芳しくはない。とはいえ、ハードルとはいえハードルである。そして、大学受験の前に、中学受験か高校受験か、という違いになる。

大学や会社の友人・知人に中高一貫出身の人が何人かいるので、日々感想を聞いていた。

  • 仲が良い友人が受けるので受けようと思った
  • 長い付き合いになるので楽しいとは思う
  • マンモス校だと気の合う仲間が誰かしらできる
  • (第一志望に入れなかった人)挫折感を10代そこそこで味わうのは酷。でも6年間で良い仲間はできた

経験が無いので半分羨望な目線もあるものの、「気の合う仲間」「ウマが合う人たち」は中<高<大 と受験を経る度に増えていった印象があるので、確かに試験することの副次的な作用があるのだろうと思う。

気になるのは6年間である。多感な6年を同じ環境で過ごすことの負の作用がありそう、というのが一抹の不安もある。良い仲間に恵まれる確率は高いかもしれないが、そうでない場合はどうなるのか。

色々考えるところがあるが、受かってから考えれば良い話ではあるが。

塾や教材もいろいろ調べた。そもそも公立の中高一貫校の試験内容はかなり特徴的で、高校入試や大学入試には直結しなさそうだった(とはいえ、ややSFCの試験に近いものは感じた)。しかしながら、その試験対策もかなり攻略されていそうで、それなりの対策をすればそこそこ合格する確率も高まる印象だった。ただそれなりの資金と、何より彼の貴重な時間をかなり費やさないといけないのでやや気が引ける。

また、近年の流れとしては中高一貫校が高校からの編入を受け付けなくなってくるらしい。入り口が中学入試しかないと思うと、やや迷う部分もある。

そして、東京の公立の中高一貫校については、進学先の状況からみても必ずしも大学入試に有利ということもない(上から目線だけど、フラットな目線で)。やはり、本人の資質と学校の校風が合うかどうか次第ということなのだろう。そのためか、多くの学校では試験ではなく”検査”と称している。

また彼の気が変わるかもしれないし、時を見て話を振ってみてはいる。というのも、あとあとチャレンジしておけば良かったというのは避けたい。結果はどうであれ、結局のところ、進学先の頑張り次第で、選択の評価は変わるので、今はもうちょっと小学校生活を楽しめば良いと思う。

受験はそこそこ大きいライフイベントだけど、全てではない。全てではないけど、ほぼ避けられない。下手に逃げすに上手いこと乗り切って欲しい。そうすれば君の人生はより開ける。というのが今の親としての気持ちである。

舞台「ハリーポッターと呪いの子」

少し前にプレ公演を観劇してきました。休憩を挟む長めの舞台は初経験。あと、初・生・藤原竜也でした。

感想を下記にいくつか。

  • ステージの大きさは狭そうな印象だったけど、いざ始まると大きすぎず小さすぎず。ちょうどよかった
  • 最初の組み分け帽子の演出に驚く。一気に引き込まれる。
  • 舞台装置が凄まじい
    • 回転するステージ
    • 水の容赦ない演出
    • 動く階段
    • 事故なくパフォーマンスすることの凄さに関心
  • 小道具も凄まじい
    • 古くからあるマジックの応用だと思うけど
  • 日本人キャストだけどちゃんとキャラがたっててよかった。
    • とはいえ、再現具合?だと嘆きのマートルが一番だった。誰が見てもイメージがずれていなかったのでは
    • ただし、全体的にやや早口になる箇所がある。英国→日本語の翻訳が原因だと思うので致し方ないか。
  • シーンの合間のフォーメーション?ダンス?が良かった。そもそも舞台の場面転換の演習が個人的には好きなのかもしれない。
  • 音楽も良かった。映画のメインテーマを使わず、ハリーポッターの世界観にフィットしたサウンドは好印象。
  • ストーリーはちょっと酷なこと(ハリーに両親の死に際を静観させること)をさせるよなぁというのが率直な感想。それもあって、尺も含めて若干映像化しにくい印象。
  • 演劇の本番のイギリスがオリジンなので、きっとさまざまな面で最先端なんだろうと勝手に推測。

プレ公演と本公演の違いがあるらしいのは聞いているので、来年あたりに再度見に行きたいところです。

なんだかスパイダーマンにはまる

多分きっかけはコロナ禍だったと思う。インドアの時間が増えて、ちょうどセールで売っていたPS4のスパイダーマンを買った。それから少し放置していて、前後してスパイダーマンの映画をいくつか見る。たしかAmazingの方だ。2まで見て次の動きに躊躇する。というのも、MCU版と呼ばれるアベンジャーズの一員になったスパイダーマンの方は、そもそものアベンジャーズの流れを追っていなかったので、その辺りのキャッチアップが億劫だった。

ほどなくしてゲームにもハマる。そして、一番ハマったのは長男の方だった。あっさりクリアして、続編もさっさと終わらせてしまった。

そしていよいよMCU版を見る。というのも完結編?のスパイダーマン ノーウェイホームがちょうど公開していたからだ。最低限の復習(ホームカミングとファー・フロム・ホーム)だけ鑑賞した。ここで一気に熱が上がる。2002年のトビー・マグワイア版から見ていて良かったと思わせる内容だった。

なんでDisney+で見れるようになったかとかを長男に説明するために(あとはAmazingはなんで2で終わったのかとか)、いろいろ調べてみると、本当に色々あったらしい。リアルタイムにウオッチしていたらきっと気が気じゃなかったと思う。

そしてスパイダーバースを見る。これまたストーリーも表現方法も面白かった。続編に期待である。

さて、ハマる理由はあまり考えても仕方ないと思って深くは考えていないが、状況としてはキャラクターやキーポイントは変わらない。時代に合わせてストーリー展開をフィットさせることができる。借景や2次創作という見方もでるかも。だから、このEARTHではこういう展開なのかーと、味わうことができる。そして、それらは並行世界ということで、一応どの作品も矛盾なく存在できる。EARTHはそのバージョンを表す。

これはスーパー戦隊シリーズや平成から続く仮面ライダーシリーズに通ずるものがある。様式美と時代へのフィット。そして並行世界。

長男はわりと真面目にヴィブシューター作りたいとかスパイダーマンになりたいとか言い出している。ゆるーく応援する。1つだけ作中の名言がすごく良く、たぶんこれからの人生に役立つと思って、心に留めておくように話している。「大いなる力には大いなる責任がともなう」どの作品も共通して使われるフレーズだ。英文だと「with great power comes great responsibility.」いわゆるノブレス・オブリージュだ。

ところでMCU版を見始めるとやはり補完が必要で、アベンジャーズ(特にスパイダーマンが関わる2作)と初登場のシビル・ウォーも見る。そうすると案の定、他の登場人物のストーリーも気になり、追いかける展開となってきた。今現在、マーベル作品はフェーズ4らしいが、まずはフェーズ1-3を履修したいところだ。

以下は並行世界のEARTHの覚え書き。

  • スパイダーマン(トビー・マグワイア版)
    • EARTH 96283
  • アメージングスパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド版)
    • EARTH 120703
  • スパイダーマン(トム・ホランド版)
    • EARTH 199999
  • Marvel’s Spider-Man PS4
    • EARTH 1048
  • スパイダーバース
    • EARTH ???(公式にはまだ決まってないらしい?)

朝ドラ「おかえりモネ」

「半分、青い」「なつぞら」辺り以来の完走でした。期待通り。そして、美しいドラマしでした。ストーリーもキャストも音楽も完璧だったんじゃないかと。

まずは音楽。BUMP OF CHICKENと高木正勝は極上。まず聞き飽きない。要所要所でかかる曲は坂本美雨がボーカルだったりというところもポイント。

キャストはあさが来たで、存在感があった清原果耶。朝ドラは3度目?ですが、満を辞して主人公。期待値の高い要因の1つでした。そして、他のキャストも含めて期待通りの高い演技力。表情や間、空気感というか、良いものを見た!という満足度が高かったです。

そして、ストーリー。これまでありがちだった少年少女が活発に成長していくもの、というより、最近の言い方だと、レジリエンスの話し。既に主人公たちは彼の震災で、何かしらの傷ついている状態。出会う人たちも何かしらの傷をかかえている。重苦しさはなかなかのものでしたが(朝の視聴だったら離脱していたかもしれない)、徐々に回復への道を模索していく流れは、自分にとっても、こな現代にとっても、救いになるような、ヒントになるような、金言やシーンがたくさんありました。

久々に良いドラマに出会えたなと、最後まで観てよかったなと、そう思える美しいドラマでした。