映画「君たちはどう生きるか」

ネタバレに遭遇しないうちにさくさくみてきた。

何も事前情報無しにひたすらストーリーを受け取るのは久々の体験で、こういうのもたまには良いなと思ったのと、個人的には刺さる内容でもあった。ただ、これは今までのジブリ作品に触れてきた積み重ねがあった上での話なので、単体の作品として見たときは、宣伝しづらいだろうな、というのも理解できた。

ストーリーも音楽もひたすら自制的・内省的で、「風立ちぬ」ほど苛烈さは無かったものの、「私はこうやってきた」というのを、ぽんっと提示され、それは淋しくもあり、かつ80歳過ぎの死生観も垣間見れたような気がした。

コミカルにしようと思えばできそうな、感動的にしようと思えばできそうな要素はあったものの、あえてなのかなんなのか、さらっときてしまう。もう少しインコの世界観を描く方向性もあっただろうに導入描写がない。クライマックスでは母子の時空を超えた邂逅なのに、母は「おまえは本当にいい子だね」っとさらっと言ってしまう。盛り上がらない。予告編は作ったようだけど、素直にこのトーンを伝えてしまうと興行的に厳しいと判断したのだろう。ゆえに今回の施策に至ったのでは。

音楽はやや不満だった。久石ファンなだけに期待値が高すぎただけかもしれない。久石節は無かったように思う。あえてそうしたのだろう。正直印象に残っているメロディラインがない。そもそもBGMの割合が少なかったようにも思う。

キャストはすぐに分かった人もいれば、分からない人もいた。早くパンフレットが欲しい。

映画「すずめの戸締り」

やや惰性の雰囲気もありつつ観てきました。もう一回くらい観たいけど、前の2作よりはエモさは薄れたので、やや熱は引いてしまったかもしれない。

この映画は前提条件が難しくて、東日本大震災を経験しているか、ジブリをそれなりに見ているか、星を追う子どもを観ているか、などで、感想が全然変わるだろうなと思う。

震災文学として

パンフでも語られてたけど、震災から10年以上経ち、東日本大震災を経験した人が徐々に少なくなっている。経験者にとって当時を想起させる描写が幾度となく登場するが、当時の生々しさを伝えるのにはちょうど良いのかもしれない。まだ前2作はオブラートに包まれた比喩的なものだった。生々しすぎると抵抗ある人もいるかもしれない。なので感じ方がここで変わる。これは朝ドラでも見られた現象で、震災直後の「あまちゃん」では直接的な震災の描写は避けられていたが、「おかえりモネ」では生々しさがマシマシの設定・描写だった。

ジブリのオマージュとして

色々な演出の符号として、ジブリの影響が伝わってくる。これもパンフの中で語られているか、魔女宅をあえて?だいぶ?意識したものだったと。そこで思い当たるのが「星を追う子ども」という作品。奇しくも震災直後に発表された新海さんの作品。この作品の特徴的だったのはジブリの好きなところ全部乗せみたいな作品だった。これでの新海さんの純文学的な世界からはかけ離れた作品だったので、期待値のズレを感じる部分もあるが、ジブリ以外のスタジオから当時もっともジブリらしい作品を作り出したのには驚きだった。今回はソレの踏襲だった。前2作と比べると情緒的なモノローグやPVのようなエモーショナルな演出は封印された。こういうジブリ風味の演出もできるというところを見せつけているかのようだ。「新境地だ!」という感想を持った人もいるかもしれないが、自分としては「そっちで来たか」という感じだった。決してネガティブな意味ではない。

とはいえ、新海さんのらしい要素(年上女性と少年/青年の交流)は残っていて、芹澤が良いキャラなので、彼を愛でるだけでも味わい深い作品になるかもしれない。ただ、これまでよりはエモさをくすぐる演出が少ないので刺激不足に思う人もいるかもしれない。故に、自分の中で今ひとつ盛り上がっていない。

映画「ハケンアニメ」

観たよという記録。いろいろ考えを巡らせても脇道に逸れて迷走しそうだったので。

  • こらは良質な仕事ドラマだった。
  • イチからゼロを生み出すジリジリとした焦燥感というのは痛いほど共感したし、そうだったなと思い出した。
  • 今現在、会社員としてはプロデューサー両名に感情移入しっぱなしだった。
  • 窪之内英策さんの絵を堪能した。ここ十数年はアーティスト活動が中心だけど、ツルモクの時代から知ってる自分としては、良質なアニメとして見れるのは感無量。
  • アニメ制作現場のアップデートができた。正確には今はもっと違うらしい。細かい経緯はおいといて、デザインプロセスを考えるのは楽しい。
  • 自分の作品が誰かの人生に影響を与えたかもしれない話
    • ここから脇道。映画を見ていて思い出した。
    • 自分の大学の卒業制作を見て研究室に来たという後輩がいた。
    • 正確にはその当時の研究室の活動だったのかもしれない。卒業制作もグループワークだったし。
    • 言われた時は嬉しかったけど、戸惑いと怖さもあった。
    • 彼らはそれぞれ特異な世界で活躍している。
    • なんとなく彼らの行く末は見守り・ウォッチしている。

映画「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」

これも観たよという記録。

  • ダンブルドアの秘密部分はハリー・ポッターの情報を得る中で知っていたので、あまり驚きはなく、制作側もおそらく観ている人はある程度知っているという前提で作られていそうな雰囲気だった。詳細や経緯を少し深掘りできた。
  • グリンデルバルドがジョニー・デップからマッツ・ミケルセンに交代したところも見どころの1つで、そのダンブルドアの秘密部分について逆に納得感が高まったような感じだった。ジョニー・デップはエキセントリックではあるけど、妖艶さはマッツの方が上。といった感じ。
  • 肝心のファンタスティックなビーストはこれまでの作品ほど登場せず、そこは残念。定番のニフラーやボウトラックルは良かったけど。
  • その代わりホグワーツが出てくることで、ハリー・ポッターからつづくファンへのサービスのようにも思えた。
  • ナギニがどこか行ってしまったので説明が欲しかった。ティナはなかなか出れない理由は一応語られてたけど、やはりもっと出てきて欲しかった。
  • クリフハンガーはあったものの、ポストクレジットシーンがなかったので、続編があるのか不安になる。案の定いろいろモメているようだ。単体で観ると物足りなさはある。
  • 呪術廻戦の領域展開みたいな戦い方が急に出てきて、モヤっとする。

映画「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」

とりあえず観たよという記録。家庭内パンデミックの話はまた今度。

  • やはり下準備が必要だった。ワンダビジョンは見てたけど、ロキやワットイフのドラマも見ておいた方が良いらしい。
  • なんとなくだけど、アメリカ・チャベスが中心になりそうな予感
  • ネッドあたりがストレンジやウォンの弟子になってないかなぁと思ったら、それは流石になかった
  • スパイダーマンの話はでたけど、今後も絡みが出てくれるとうれしい
  • アベンジャーズに慣れていたせいかキャラクターの少なさに気づく。でも全体の時間を考えればちょうど良いくらい。