本「水使いの森」

半分ジャケ買いだったのですが、3部作の「幻影の戦」「叡智の覇者」を少しずつ読み進めてようやく読了。いろいろ感想はあるものの満足度は高いものだった。

まず、感じるのはゲーム特にファイナルファンタジーの影響で、予想通り2巻目の解説で明らかになる。ネガティブな意味ではなく、FFを想起しつつも世界観の構築がしっかりしているので、このまま映画化やゲーム化があっても良いんじゃないかと思うくらい。もともとFFもいろんな神話を下敷きにしている面もあるので、結果的に万国感のあるものになっている。描写や言葉遣いからオリエンタルな感じはあるが、想像の余地はあった。

しかしながら、時々描写が非常に細かく書き込まれている部分がある。著者の一人が写真家であるがため、という解説にもあったが、それは関心する部分ではあるけども、少し戸惑う部分でもあった。というのも、いったん「こうかな?」と想像はしてみるものの、あとで補足の描写があると、少し修正が必要なことがあった。おそらく筆者達には確固たるビジュアルがありそうで、そうであるなら、ますます映画化やゲーム化を期待してしまう。そんな話はなさそうだけど。

ストーリーとしては、様々なタイプのバディ(二人組)を大小のストリートを織り交ぜながら、ざっと3軸くらいのストーリーラインを進めていき、後半はアザーサイドから伏線を回収しながら進んで行き、大団円に向かっていく感じ。図表化したら結構きれいにまとまっていそうな気がする。緻密な設計・計算をしていそうな印象もある。

あまり、こういうタイプのストーリーは読んでこなかったので、いろいろ手にとってみようかなとも思う。