映画「竜とそばかすの姫」

フルスペックのIMAXで見たいけど、見れそうにないので感想を書き置き。

賛否両論ありますが、個人的には8割以上音楽が要因で泣かされた感じです。別の言い方すると、音楽と画の力だけで、泣けます。

多分この映画の音楽を語る前に中村佳穂について、語らないといけないのですが、最初の予告を見た時にすぐに分かったんですね。この声は中村佳穂じゃん、と。それくらい特徴的。

中村佳穂を知ったのコロナ禍になるちょっと前で、Youtubeにおすすめで出てきてライブ映像かなにかだったけども、すぐにアルバムを購入。つまり衝撃的だったわけです。どうやらだいぶ前にTVでも取り上げられていたみたいで、バズっていたみたいです。

さて、期待値が高まる中、いろいろ制作過程があきらかになり、鑑賞したわけですが、なるほどな(やられたな)と思ったのが2点。

1つ目は、「美女と野獣」を下敷きにすることで、ストーリーの推進力を借りていたということ。よくよく考えると主人公たちのモチベーションが薄いんですね。でも、ストーリー展開の下敷きがあると、見る側も暗黙的に期待し了解しているわけで、あとは勢いとアニメーションと音楽の質で畳みかけるので、なるほどなと。

2つ目は、最初の母親のエピソード。事前情報としては父子家庭というのは分かってはいましたが、その経緯は語られておらず。これを先に語ってしまうのは、設定落ちになりかねないのですが、この映画ではこのエピソードを雛形にいくつかの関係性を展開していくわけで、その点では、なるほどなと。

あとは、アニメーションの美しさと歌声にやられて、ボロ泣きしてしまいました。音楽を聞いただけで泣けます。

ところで、どうしてもストーリーの細部について、リアリティに欠ける部分は否めないのですが、多少擁護というか容赦をすると、細田さんは描きたいエピソードやシーンしか描かないんだなと。その傾向は昔からあったし、未来のミライの時もそうだったし、まぁそういう監督なんだと。たぶん現代劇でなかったらすんなり受け入れられたんじゃないかなと思うわけです。奇しくもハウルの動く城のような、完全ファンタジーの世界であれば。

分裂する世界

ダウンロードしたまま放置していたデス・ストランディングをようやくクリアした。良いビジュアルとストーリーと音楽だった。そして、その世界の始まりのような状況が現実世界でおき始めていた。

数ヶ月前には考えられない状況になった。年明け、中国で妙な風邪が流行ってるとニュースで聞き封じ込めに必死だったように思う。まだまだ対岸の火事だった。数年前に流行ったSARSやMARSのように終息することを期待していた。

それがあっという間に海を渡った。その頃、長男がインフルエンザになって肝を冷やしたが、まだ自分ごとにするには実感がなかった。マスクが枯渇し始めた。

そして学期末を目前にして一斉休校。冗長化が効かない世界だということがよく分かった。連鎖するように在宅勤務する人が増えた。 これは結果としてよかったのかもしれない。

この頃、仕事の方は試しにリモートワークで実施できないか根回しをした。上の人たちは乗り気じゃなかったが、個人的には良い機会だと思った。パンデミックになった時にドタバタしないように課題を潰しておきたかった。そしてそれは杞憂に終わらなかった。

在宅勤務にはいくつか功罪があった。良くも悪くも残業が減った。つまり生産性は多少落ちた。無駄な会議は減った用に思う。ただ入れ替わるように、無駄な報告ルーチンが増えた。

家族と過ごす時間が増えた。これは素直に良かった。夜の余暇の時間も増えた。これも良かった。積み本や先のゲームの消化が進んだ。

完全になくなったものがある。朝の通勤電車の中でルーチンでやっていた英語のドリル。やるタイミングを失い完全に断絶してしまった。

もうちょっと比較できる数値が出揃ったら、健康面や家計面でもチェックしてみたいと思う。

今現在の雰囲気は、GW明けに終息すると楽観する人と、まだまだ続くだろうと人とまちまちだ。自分はどちらかというと後者だ。スペインかぜの時は終息に2年をようしたという。今回はかなり似たような経過をたどるのではないだろうか。

終息後、何もかもがまったく元通りとなるとは思えないのだ。終息するというよりは徐々に日常化していくのではないだろうか。古くは結核やインフルエンザやHIVなどのように。

ワクチンができるか、特効薬ができるか、さっぱり分からない。インフルエンザのように抗体が長く持たないのであれば、毎年のように予防接種が必要になる。BCGが効果があるとされるなら、その線もあるだろう。ワクチンが期待できなければ、HIVのように抗ウイルス薬に期待するしかない。

それまでの間、世界のありようはかなり変わるのかもしれない。今は徐々に世界が分裂している状態だ。それをつなぎなおす時、今までと同じようにはつながらにだろう。きっと新しい世界になる。それは新しい進化のチャンスでもある。

例えばオフィスワークの在宅勤務はもっと当たり前になるだろう。週の何度か集まれば良いとか、働く人と会社との関係も変わるだろう。勤務時間は形骸化して一層成果主義になる可能性すらある。

学校もよりリモートが増えるかもしれない。いわゆるIT化をすすめる大きなチャンスでもある。旧来からあるいくつかの行事はなくなる可能性もある。

リアルな仕事は価値がもっと変わるだろう。そもそも労働者不足の危機にさらされていた。自動化もさることながら、リアルであることの付加価値がより高まる。

デリバリーフードは盛り上がりそうだ。物流は平準化が進み、運び屋の需要が増える。外食産業は 抜本的な終息がない限り、従来のような営業形態は敬遠される。 UberEats などを介して対応していかないと生き残れないかもしれない。

エンターテイメントはあり方がガラッと変わる。近年はライブ回帰であったが、これも抜本的な終息がない限り敬遠される。ここは5Gを目前として様々な手法が提案されている。そのうちのいずれか、あるいは全く別のものが、デファクトになるかもしれない。

経済環境はもともと厳しかったので、景気的にいうと底を付くのはもうちょっと先だろう。歴史にならえば少なくとも2-3年は後退局面だろう。ただ今回のショックが長引けば回復にはもっと時間を要する。

税制あたりは改めて考え直す機運があるかもしれない。具体的にはマイナンバーやベーシックインカムの話は再燃するかもしれない。というのも今現在、政府は現金給付という手段が迅速にとれなかった。直接個人にリーチできる手段がないのだ。これは国が個人を管理することとトレードオフだ。それは日本はかなり拒否反応がある。それはもっともでもある。

ざっくりとした表現をすると、これを機に、コミュニケーションのありようがあらゆるところで変わる。失う形態もあれば、新しい形態もある。新しい形態を自分たちで模索できる機会と思えば、多少、希望があるかもしれない。

映画「ラストレター」

久々に岩井さんの映画を見て、岩井さんの世界に浸り、泣かされました。

近年の作品はあまり見てなかったのですが、思い立って観に行きました。テーマも音楽も久々にぐっとくる映画で、従来ファンには嬉しいのではありますが、岩井さんの映画を知らない人が見た時の評価はなんとなく分かれそうだなというのが真っ先の感想です。もうちょっと言うと岩井さんの作り出す映像美は、万人受けするものではないかなと思うし、ただ、呼応する時は、とても深く響くだろうなと思うわけです。

撮影手法はさすがの一言。フォーカスの受け渡しや、ドローンによる撮影など、挑戦的なものもあれば、セオリーどおりアクションラインの制御やコマ割りもさすがでした。また、ナチュラル系の演出は最近は是枝さんが筆頭ですが、(元祖というわけでないですが)やはり子どもたちの演出や俳優たちのポテンシャルを引き出すのはさすがで、特に少年たちが群像でわらわらするシーンが印象的でした。一人二役を演じた2人の俳優もさすがでした。

構造(主要な主人公が一人不在、一人二役、手紙に行き違い、などなど)としては Love Letter を踏襲するものの、テーマとしては普遍的でもありながら、より重苦しい題材というか命題を選んだなと。青春といえば青春ですが、どちらかというとその後の人の人生の黒々とした濁流を垣間見た気がしました。それがトヨエツや中山美穂が出てくるシーンであったり、描かれていない高校卒業後の陰の部分があり。それに対比するかのように高校時代や子どもたちの青春が描かれていました。Love Letter の時よりそのコントラストがきつかったなと。そして、壮年や初老・老後の人々の営みが垣間見れると、岩井さんも自分たちもそれ相応に歳をとったのだなと。

そして、最後の最後で「ラストレター」の意味を回収していくのですが、それはたぶん上の世代から下の世代への普遍的なメッセージなのかなと思うところもあり、時代が経ってもこのメッセージは色褪せないだろうなと思いました。

映画「アナと雪の女王2」

率直な感想としては、こっちの方が本編だったのでは?と思うほど、ストーリーも整っていましたし、世界観も程よく広く、よりファンタジーと冒険の物語だったように思いました。前作は冒険という点ではあまり展開がなかったのかなと。

ただ、音楽は前作がキャッチーすぎたので、なかなかそこまでには到達できず。(みんなで合唱鑑賞しようとか変なことにはならなそうなので、それはそれでいいんですが)

音楽のジャンル的には幅が広くなったし(パロディっちゃパロディもありましたが)、宣伝で推してくる音楽よりキャッチーなメロディは他にもあったものの、ネタバレということであまり使われず。鑑賞したあとはいい音楽をたっぷり堪能したなーという感じもありました。

前作知らないと分からない部分は若干ありましたが、ターミネーターみたく、2から導入でも全然OKな作品なんじゃないかなと。続編はもうちょっとなさそうですけど。

映画「アラジン」

レイトショーのありがたみと感じる今日このごろ。

アラジンといえば小学校低学年の時に友達がVHSだかを持っていて鑑賞したのを覚えています。初めてディズニーアニメとのまともな対面だったかなと。その当時はディズニーのことも山ちゃんのことも知りませんでしたし、思えば初代のアラジンの声は羽賀研二だったなぁと記憶してます。

それが昨今の流れに乗って実写化。予告編でも話題になってましたが、ウィル・スミスがまんまウィル・スミスでした。果たして青い必要があったのか、そこそこ疑問ですが、これもアニメの下地があったからなんでしょう。アニメ版がなかったら不可解なところがあったかもしれないです。

一応、山ちゃんやらの声を聞きたかったので吹替版を鑑賞。アラジンもジャスミンも違和感なく、むしろいい感じに中和されて良かったです 。(言い方が微妙ですが、顔が濃い面々だったのでしつこさが軽減された感じ)

ストーリーは若干アレンジされ、やや時代に沿った内容に。アクション系が演出上少しアニメ版よりは省略されて、ラブコメ展開が追加されてました。この雰囲気はどこかで見たことあるなーと思ったら、よくあるシチュエーション・コメディっぽい感じ。早回しの感じもおそらくそんな感じ。

音楽はというとアランメンケン三昧。映画館で大音量で聞けるのは素晴らしいなと。家ではなかなできないので、レイトショーありがたいです。

唯一といっていいか微妙ですが、後半にかけてエンディングに向けた演出スピードの失速感が否めず、せっかく回想方式を採用したのだから、語り部に最終的に帰着するという手もあったかと思うのですが、たぶんその線も作ってたんでしょうけど、大円団という感じには至らず。結構、ディズニーアニメは後半たたみかけて展開が早くなる傾向にあるので、そこに期待値を持っていってしまったなと。