RIP坂本龍一

病状を伝えるニュースを耳にする度に覚悟はしていた。そして訃報に触れ、遂にという感じだった。ご冥福をお祈りしたい。

いちファンでもあり、趣味のピアノ弾きとしても、多大なる影響を受けたのは間違いない。「戦場のメリークリスマス」は暗譜している数少ない楽曲のうちの1つだ。中学校・高校時代はほぼ毎日のように演奏していた。

初めて教授の作品に触れたのは、小学生の時で一番近い兄が千のナイフや戦場のメリークリスマスを聞かせてくれた時だったと思う。当時はカセットテープで、どこからかダビングしてもらってきたのだろう。オネアミスの翼のテーマ曲もあったと思う。

どちらかというと、ジブリからの派生でまだ久石譲の影響を強く受けていた頃だったと思う。インストや劇伴への下地があったせいか、すんなり受け入れ夢中になった。

戦場のメリークリスマスやラストエンペラーはビデオでも履修し、スコアを買い、弾き漁ったり、構成が特徴的な楽曲はDTMで打ち込みじっくり味わった。

大学に入ると友人らの指南もあり、YMOから2000年初のテクノの時代流れも感じ取った。

また、同時期に教授はいろんなトライを始め、04や05のアルバムは今でもよく聞いている。彼はトップランナーであり先駆者であり、同じ時代に生きていることは幸福だと思ったし、YMOの時代をリアルタイムに体感できなかったのは残念にも思った。

一方で、ニュースなどで見聞する私生活や活動家の面では相容れないものがあった。価値観というか態度というか行動原理というか、が合わなかった。作品と人格をはっきり分けるようになったのも彼が初めてだったかもしれない。

結果的に遺作となったアルバムは実は聴いていない。なんとなく最期かもしれないという複雑な気持ちからか、ちょっと遠ざけてしまっていた。なんとなく敬遠する気持ちがまだある。もうしばらくしたら、じっくり鑑賞してみたいと思う。