東京オリンピック2020・パラリンピック2020雑感

開催には半分以上賛成だったけれど、いろいろあって、総じて残念なイベントになってしまったなという感想になった。なんともしょっぱい。

ケチのつけ始めはどこからだろう。

1つは開催時期。64年の時も「日本の夏はないだろう」となって秋になった(いだてんで知った)。暑さ対策はどれもこれも厳しい印象だったし、挙句の果てはマラソンは北海道開催になった。東京とはなんぞや。

少し話はずれるが、NHKの大河ドラマの「いだてん」と朝ドラの「エール」は良かった。エールは総集編で履修した。示唆深いことが多く、コロナ禍から更に混迷を極めた状況では、その示唆が金言のように思えた。

まず1つは、40年の幻の東京開催を返上するところ。副島氏が「挙国一致ではなくスポーツ精神に基づくべき」「今の日本は貴方が世界に見せたい日本ですか!」と説くところ。40年の五輪は関東大震災から復興の象徴みたいな面もあった。64年も戦後の復興の色が濃かったみたいだけど、結局政治とは切り離せないものの、まーちゃんの奮闘ぶりが伺えた。

その64年のオリンピックのオープニング曲を作曲したのが古関裕而。彼を題材にした「エール」では(本当かどうかしらないけど)こんなような意味のセリフがあった。「復興を高らかに叫ぶマーチになんかしたくなかった。もっと普遍的な世界中の人々が心高鳴る音楽にしたかった。」コロナ禍前は「震災から復興した象徴」とか言っていたけど、コロナ禍以後は「コロナに打ち勝った象徴」とか言い出して、いろいろ見失った状況にぐさりと刺さる言葉だった。その古関裕而が作曲したオリンピックマーチは今回のオリンピックの閉会式で再び演奏された。なんだか少し救われた思いがした。

さて、開催時期の次はエンブレムとスタジアムである。エンブレムは盗作騒ぎに始まり、佐野氏のこれまでの作品に穿った目が向けられる。思えばこれが後のキャンセルカルチャーのくすぶりだったか。最終的に決まったエンブレムもよかったが、作品自体でいえばモーションも考えられていて悪くなかったと思う。

スタジアムの方はほうぼうからケチがつけられ白紙になった。そして今の味気ないものになった。残念ながら負の遺産になりそうだが、唯一グッジョブといえそうなのが、観客席の色をランダムに配色したことで、空席が目立つといったことが無いようにした点。これは後に功を奏する。思えば、2016年招致の時は湾岸地域にスタジアムを建設する予定だったはずである。諸々経緯を経て建て直しになった。これも政治が絡む。そういえば工期が厳しく過労死した若者もいた。コロナ禍がもっと早ければそれもなかったかもしれないと思うと痛ましい。そして、ザハ氏の遺作になったかもしれないと思うと、それはそれで残念だった。

いずれも「そもそも気に入らない」を通り越して「決めた方が不透明」だとか「お金がかかり過ぎる」とか言って、「そもそもお前らのやることが気に食わない」という空気感ができてしまったのが不幸だった。そういった空気感の醸造も含めて政治力なのかもしれない。お祭りの雰囲気にはなかなかならなかった。やはり、処々出てくる情報が少しずつ残念だし、特に暑さ対策では現実的で効果的な案が出てこず、空気感の醸造を阻害したと思う。阻害というよりはそれが真っ当な反応。

お祭りの空気はリオ五輪の閉会式のパフォーマスで、うまく整った気がする。演出はさすがだったし、期待値も高まったように思う。後のラグビーW杯の盛り上がりも影響したかもしれない。単純にスポーツは面白い。それで良かったのだ。そして、それが極東の魅惑の都市で開かれる。ただの一般人してみれば五輪は観光とセットなのだ。

そして、コロナ禍である。さっさと延期・中止をすべしと思っていたけど、現場の調整は相当難儀したんだろうと想像する。空気の読み合いについては、日本特有と言われがちだが、IOC も含めてチキンレースぷりは酷かった。酷いとうのは、結果論だけど、こういう状況の時のリーダーというのはなかなかつらい立場だなと思う。

延期の話が持ち上がったときに、朝の情報番組でオリンピアンのコメンテーターがえらく熱っぽく延期反対を訴えていた。当時理解できなかったが、いざオリンピックが開催されると分かるような気がした。全選手がオリンピックの日程に目がけて活動していく中で、たとえ1年でも大きなズレになる。都知事が同様の旨を含めて「2年延期はない」「再延期は困難」と言っていた。選手目線では確かにそうで、これもタラレバだけど、ベテランの選手がメダルは取れていたかもしれないし、そもそものメンバー選考も変わっていたかもしれない。逆もしかり。しかしながら、これは運命として受け入れるしかない。

1年延期となったが、パンデミックはなかなか終息しそうになかった。歴史に学ぶなら2〜3年かかる。半分以上賛成していた自分の中のオリンピック・パラリンピックは夢と幻になった。中止もありうる。開催したとしてもおそらく観戦たどままならない。それよりは命を守る方を優先する。おそらく、自分が生きているうちに思い描くような自国開催というのは二度と無いだろうし、もしかしたら、自国開催でなくともオリンピック・パラリンピックの開催自体が難しい状況が続くかもしれない。

2020年の年末、オリンピック開会式について、不穏なニュースが流れる。当初予定の演出チームが解散し、パラリンピック閉会式の演出予定だった小林賢太郎さんがスライドした(ジョインが発表されたのはもっと後だったが、同時期にパラリンピックの開会式・閉会式の演出チームの解散が報じられていた)。後の経緯から推察すると、おそらく、火中の栗を拾う思いだったのだろうと思う。政治的な差し込み案件が多く、前々任者の劣化版と言われたプランの下地が既にある中、また、そもそも開催自体が不透明な中、誰もやりたがらないだろうという状況だったのではないか、というのが素直な印象だ。功名心があったのでは?という指摘もあったが、賢太郎さんはもうそんな若手ではない。メインカルチャーの担い手が誰も拾わない中で、白羽の矢が立った、あるいはみかねたというのが、想像するところである。

それからの半年は、「本当に開催するの?」という気持ちと「開催したらそれはそれで楽しんじゃうんだろうな」という、やや思考停止した状態だった。

そして7月、オリンピックの開会式・閉会式の演出チームの発表がありバタバタと、一連の騒動が起きる。キャンセルカルチャーいかがなものか、といえばそれまでだけど、やや特異点としてはやはりコロナ禍という点。どうにも開催中止勢力が、あわよくば中止に追い込むため?にアラ探しをし始めた向きがあるように感じる。もしそうならそれは筋違いでむしろ卑怯な手段だ。あるいは、エンブレム騒動からの「やることなす事気に入らない」の下地があったうえで「チェックせねば」「炎上させても許される。むしろ燃やすべし」そんな狂騒状態だったようにも思う。別の言い方をするとネガティブな思惑が絡み合った状態。ポジティブな空気感で満たされていたら、20年以上前の汚点のほじくりはなかったのでは?と、どうしても思ってしまう。そして、それは逆に今回の状況下では誰もが標的にされた可能性があったわけで、元の演出チームだったとしても、例えば林檎さん辺りは相当な騒動になってたんではないかと思う。しかしながら、小山田さんにしても賢太郎さんにして、部分的に誤報・誤解があったものの、本質的な点では追及を免れるものではないので、退任や解任までの経緯は”かなり気に入らない”ものがあったが、致し方ないというのが自分の見解。それとは別にキャンセルカルチャーの動きは下劣であるし、それは不幸としか言いようがなかった。なんだかんだで、二人の作品は好きだし、それぞれのファンとして、ささやかに応援していこうと思う。

いよいよ、オリンピック開会式。なんだかんだで結局見てしまう。事前のごたごたで心穏やかに見ることができなかったので、フラットに考察していこうと思う。全体的にはコンセプトが欠如していて、流れのぶつ切り感が酷かった。演劇的な演出で目線の誘導の意図は感じられるものの、ダイナミックさに欠けた。賢太郎さんらしさは随所に感じられたが、小ネタ感が否めない。たぶんファンしか分からない。見せ場のパントマイムのコーナーは胸熱だった。手を使った演出はポツネンそのものだったし、映像は小島さんとのユニットのNAMIKIBASHIの「日本の形」を彷彿させた。でだ、コーナーとしては面白かったけど、会場に居た人の視点ではどうだったか。会場全体を使う演出という点では、難があったようにも思う。全体を統一するコンセプトがあれば違和感を拭えたのではないのかなと。

対照的に、パラリンピックの開会式は空港・飛行機のコンセプトの元、すばらしい構成・演出だった。トンチキな部分もあったが許容範囲。あと、おそらく政治的な案件が少なくコンセプトを腰折れさせる要因が少なかったのでは?とも思う。

そして少し飛んでオリンピック閉会式。これもまたコンセプトの欠如がなんとも非常に残念な結果を生んでしまったと思う。1つ1つのアートワークや演出はまったく問題ないものの、文脈が分からないので(読み取れない)ので素直に鑑賞できない、といったところ。「カオスを作ろうとした」というコメントがあったけど、それはクリエイティビティを放棄しているようにしか聞こえなかった。

そして、パラリンピック閉会式。これもまた対照的に素晴らしい演出だった。目指すところはオリンピック閉会式と近しいものを感じたけど、全然クオリティが違った。また、ここでやっとミライトワとソメイティが登場した。オリンピックの時も居たらしいが、目立つものではなかった。バッハごっこしていた写真には笑った。ミライトワだから許せる。彼らのキャラクターに関しては競技紹介のアニメーションなどなかなか良いコンテンツがあったものの、あまり展開・活用されなかった。少し残念だった。

肝心の本大会はというと、サッカーを中心にウオッチ。

  • サッカーはまたもやベスト4止まりだった。選手層の薄さを露呈したように思う。変えが効かない選手というのはデメリット。
  • スケボーはあそこまでお家芸になっているとは思わなかった。世代の影響・タイミングのせいかもしれない。
  • 全般的に遠い国の出来事のようだった。
  • 札幌で行った競歩やマラソンは結局酷暑だった。北海道の夏も暑いのだ。やはり時期が悪い。
  • パラリンピックの映像がたくさん流れたのは良かった。子どもたちに多様性を受け入れる良い機会になったと思う。

終わってみれば結局楽しんでいたのかもしれない。かえっえ純粋にスポーツを楽しむ、ということにフォーカスできていたような気もする。ただ世の中はパンデミックはまだおさまらず、歴史的にみれば開催の是非と評価は分かれたままだと思う。個人的にはやはりやや否定的だった。

1つ反省といえば、開会式や閉会式に、ショーアップの要素を期待しすぎていたのかもしれないということ。歴代の開会式・閉会式の演出楽しみだったけれど、基本に立ち返れば、オリンピックはスポーツ好きの集まるお祭りだ。別に舞台演出の競技ではない。過剰な期待はやめよう。長野五輪の時の開会式を演出した浅利慶太はこんなことを言っていた。「開会式やオリンピックというのは、開けてビックリ玉手箱的な、そういうことになるべき行事ではないと思います」当時は子どもながらに地味でつまらないなぁとか思っていたが、見方を変えれば、簡素で、短時間で、政治的な案件はうまく吸収できていたと思うし、何よりかなり前もってプログラムを早々に公表していた。総合的に見ればとても妥当な仕事をしていたのかもしれないなと思った。

もともと近代オリンピックは、スポーツ好きな貴族が始めたのお祭りごとである。基本に立ち返るとしたらそこだ。平和の象徴というのもやや蛇足かもしれない。大きくなりすぎたゆえ、今後、どの国の開催も挙国一致は避けられそうに無いと思うが、今回のような疲弊が続くと、いろんな思惑を絡めるのはむしろ敬遠させるかもしれない。今回のような事態で、組織は守ってはくれないという事がよく分かった。ゆえにアーティストたちは政治案件を嫌うだろう。また、競技によっては世界一を決める別の大会がそれぞれある。プロとアマの違いも曖昧になってきている。結果、スポーツ好きの人がスポーツ好きのための4年に1度のお祭り騒ぎ、になっても良いのではないかな。

最後に、参加したアスリートのパフォーマンスはすばらしいものだったし、関わったアーティストたちの仕事もすばらしかった。スタッフやボランティアの方々も大変な状況の中での仕事だったと思うと頭が下がる。それらは決して否定できるものではないし、むしろ称賛すべきで、歴史的にみても稀有なイベントになったと思う。しかしながら、この状況での開催には疑問であったし、べき論でいえば中止もしくは再延期すべきだったと思う。既に皆が思い描いていたオリンピック・パラリンピックは現時点では二度と来ない。実現しない。夢と幻になったのだ。

ロシアW杯総評

自分が観てきた中でこれほど心動かされた大会はなかったと思う。そういった意味では感動したわけだけども、「感動をありがとう」とはならないし、ベルギー戦の敗戦は今だに悔しい。ベスト8に届きかけたあの数分間は至福の時間であったし、数分後には打ちのめされ、その反動はひどいものだった。上位国相手に真っ向勝負で渡り合えそうだった手応えのような感触だけが今後の希望の欠片のように感じた。

思えば大会前から散々なもので、解任騒動から始まり、壮行試合含めなかなか期待値があがらなかった。期待値があまり高く無い方が、活躍した際に喜びも倍増になるので、ネガティブな印象ながらも「南アフリカ大会みたいになれればラッキー」くらいには思っていた。結果似たような展開でもあったし、その時とは断然レベルが違っていた。

ブラジル大会では「俺たちのサッカー」がことごとく否定されたけれども、今回はそのバージョンアップのような形だったと思う。実質メンバーはそれほど変わらないし、キャラクターも近い。違うのはこの4年の積み重ねと、コンディションの良さだったようにも思う。結果、これが日本らしいサッカーなのかなと。クオリティを保つことができれば上位国を追い詰めることができる。苦手だった南米相手にもなんとなく通用しそうな雰囲気があった。(10人相手のコロンビアに互角の内容だったのやや微妙な印象は否めない。練習試合のパラグアイ戦は勝ったけど、相手のモチベーションは低かった)ベースはおそらくこのままで間違っていないんだろう。

しかしながら、不足している部分は改めて感じる。ベルギー戦の敗戦を省みると、足りなかったのはBプラン。現代サッカーは2つ3つの戦術を刷り込むのがデファクトになりつつある。それを探り合い試合の中で変化させていく。日本にはそこまでの深みがなかった。2点差でリードした際、守り切る戦術に切り替えることができなかった。ベンチメンバーを見てもその絵が思い浮かばなかった。それよりは現状のバランスを重視したのだと思うが、それが耐えきれなかった。森重や青山がいればもう少し違ったのかもしれない。

もしかしたら攻めきるプランもあったかもしれない。それも素人目からも絵が描けなかった。俊足の浅野や永井がいればカウンター戦術に切り替えることができた。ベルギー戦で厄介だったのが、ベルギーのDF陣がいまいち「ゆるく」、3点目を取れそうな雰囲気がたびたびあり、その誘惑に乗ってしまった感がある。最後のCK、なぜ変化させられなかったか、なぜDF陣が上がってしまったのか。

後日、ベルギーがフランスに敗戦した試合展開を見ると、やや似たものがあった。フランスは後半早々に先制すると、FWをどん引きさせてまでもその1点を守りきった。なぜその切り替えが、日本で、2点目取ったあとにできなかったのか。興行としては面白い試合だったけれども、結果が全てとグループステージ勝ち抜くために腹を括ったのだから、なぜそれがもう一度できなかったのか。タラレバは禁物であるが非常に悔やまれてならない。

4年度はおそらくメンバーがガラッと変わるだろう。その前に東京五輪もある。今名前が上がってくる人以外でも新しいスターが出てくることを期待したいし、Jリーグも含めてどんどん盛り上がって欲しい。

VARについては賛否両論あるが、個人的には賛成である。誠実な人が報われるのが一番良い。PKが増えたという否定的な面もあるが、PKが取り消しがったのが象徴的だろう。ただし、適用される部分が「ゴールや退場などに関わる重大な誤審を防ぐ」なので、どうしてもペナルティエリア内での適用が多い。適用されない部分とのコントラストの差が出てしまい、判定のレベル感に統一感がなくなってしまうのがやや違和感ではあった。

例えば、フランスとクロアチアの決勝戦。フランスの先制点のFKは、あれはグリーズマンのダイブだっただろう。その後、クロアチアが同点に追いついたあと、VARでクロアチアのハンドがとられPKとなった。主審は判断を下すのに随分時間をかけていたように思う。個人的にはやや厳しすぎる印象がある。おそらくVARがなければそのまま流していただろうし、あるいは、例えばもし、先のダイブの可能性が少し残っていると主審が感じていれば、「調整」して流していた可能性もある(主審がゲームを壊したとかよく言われることがある。先のブラジル杯でも西村さんがやり玉に挙げられていた。ルールとしては正しい判定をしたが、興行面から見るとゲームを運営するという点では賛同を得られなかった)

審判にはそういったゲームの流れを調整していく事も求められているように思える。そういった中でVARの導入については、うまく活用していって欲しいけれども、簡単にいうとペナルティエリア内外で判定の品質が異なるようだと、なかなかプレーヤーとしてはやりにくいかもしれない。それならば、ペナルティエリア外でもVARの権限をもう少し強くしてもいいのかもしれない。誠実にプレイしていた人が報われる世界であって欲しい。

ソチオリンピック雑感

あまり最初から期待していなかった分、とても楽しかった五輪でした。

ロシアの勝手なイメージとしては灰色で曇り空で、ぱっとしない印象でしたが、特に開会式と閉会式はとても魅力的で、そういやバレエもサーカスもデザインも元々有名でしたよねぇと思った次第です。
  • カーリング

結果5位とそこそこの成績となりましたが、世界との差が如実に出たなぁという印象でした。小技は効くのですが、特に力で押したい時には日本は不利に感じました。素人目で見ても肝心な時のミスも目立ちましたし、国内での競技全体のレベルアップ(底上げ)が必要なんだろうなぁと思いました。



  • スピードスケート

ひと昔前はメダルラッシュの印象でしたが今回は残念。例えば500mの記録は長野五輪の時(清水が金を取った時)と比べると1秒ほど縮まっており、進歩が止まらない競技で勝ち続けるのはなかなか難しいと思いました。

  • フィギュアスケート
団体戦は割愛し、男子女子はそれぞれリアルタイムで見ることが出来ました。今回のオリンピックの主役はこの競技だったと思います。
まず男子。冒頭からプルシェンコの棄権に始まり、羽生くんのSP100点超の完璧な演技を堪能。フリーでは羽生くんがミスするとその後のパトリック・チャンの演技は複雑な気持ちで見守り、金がほぼ確定すると一人ガッツポーズしてました。そういえば大雪の日で変なテンションでしたけど。高橋や町田くんも銅メダルまで惜しい位置まできており、そもそも長野五輪の時と比べると、男子が3人も出場できてエキシビジョンも出れたのは先人たち(小塚や織田や、ひいては本田さん)のおかげなのかなぁと思いました。よかったよかった。
次に女子。男子くらべて低調で、なにより真央ちゃんのSP失敗には心を痛めました。順位的にも点数的にも、もうメダルは無理だろうと。次の日のフリーは夫婦で見守ったわけですけど、演技の途中から二人して涙ぐんでいました。BGMがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ということも相まって、もうなんとも言葉できない感動がありました。もう順位とか得点とかどうでもよくて、たぶん深く記憶に残る演技だったと思います。演技直後の佐藤コーチの表情もとても印象的でした。
もろもろの騒動については割愛。団体戦はもう少し日程に余裕があればいいとは思うのですが、男子は特に体力的に厳しそうでした。
  • モーグル
長野五輪の時から上村愛子を見守ってきたわけですが、もう少し早めに生まれていればどこかでメダルと取れていたと思いますが、残念ながらメダルに届かず。どうにもルール改正に翻弄されているイメージがありますが、仕方がないのかなと。
  • スキージャンプ/ノルディック複合
久々のメダル奪取となりました。どちらもかつては日本のお家芸と言われていましたが、これもまた度重なるルール改正に翻弄された競技だったのかなと思います。次の世代が育ってきているかが少し心配ではあります。女子は残念ながらメダルはありませんでしたが、選手が若いのでこれからが楽しみです。ラージヒルもやればいいのになぁと個人的には思います。
  • スノーボード
こちらは若手がと活躍しました。元々エンターテイメント性が強いせいか、そこまで日本人を贔屓する目はなく、どちらかというと、すごい技が見れれば楽しいよねぇくらいの感じで見ていました。それでも若い人たちが活躍してくれるのは気持ちが良いです。「スノーボードは自由なスポーツ」といい意味で気になった発言も聞けたりして、そこまで片意地はらない不思議な雰囲気の競技でした。
冬季五輪は採点競技が多いせいかなかなか釈然としない部分もあります。ジャンプ・モーグル・フィギュアスケートしかり。それでもその(あるいみ理不尽な)ルールの中で勝つための努力をすればメダルも取ることができるわけですから、社会人生活の教訓にもなりそうな所があります。なおかつ、フィギュアスケートやスノーボードについては「魅せる」ことも要求されるわけで、時の運というか、順番の綾というか、抗いがたい外的要因に左右されることも、これまたこれからの人生の教訓になりそうでした。個人的にはスポーツ(鑑賞も含めて)のいいところは、勝つ時の喜びもありますけど、負けを認め受け入れる点にあると思います。最終的な勝者は1人(1チーム)と捉えると、圧倒的に敗者が多いわけですから、過酷で残酷な世界だと思います。そいう世界に身を投じることがなかった(できなかった)我々は尊敬の念を持って見守るべきなんだろうなぁと思いました。

五輪開催が決まった

2020年の五輪開催が決まりました。当然5時まで起きていられるはずもなく、朝のニュースで知ったわけですが、いち都民としては複雑な心境で、半分以上は賛成。残りは色々課題はあるよなぁと思っていました。

賛成の理由
オリンピックは好きですし、スポーツ観戦は軒並み好きです。近場の開催であれば観戦に行くハードルも低くなるのと、息子にも経験させてあげたいです。もしスポーツをしていれば尚更。2020年は息子は8歳になるので、今の住所であれば、もしかしたら小学校とかでマイナー競技の観客として動員されるかもしれません。個人の趣味としてはサッカーを見に行きたいですし、マラソンであれば沿道に出ればすぐに観戦できます。地元開催スバラシイ。

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サッカー日本代表で期待したい新戦力

まぁメモ的に。

W杯最終予選はなんとか突破して、コンフェデは収穫はあったものの散々な結果で、正直このままだと限界を感じつつ、とりあえず来月の東アジア選手権には新戦力を試すらしいので、今後の期待も含めて各ポジションについて考えてみようかなと思います。
  • GK
たぶん現在の選出されているメンバーからはあまり変わらないと思います。東アジアでは西川がメインで使われると思いますけど、権田が次点で、次にあるとしたら五輪予選で不遇な扱いを受けた清水の林あたりでしょうか。
  • CB
人材不足は否めず。栗原もJリーグではいいパフォーマンスしていると思うのですが、コンフェデのメキシコ戦の失点シーンなんか見ると経験不足の感が否めず。伊野波や高橋の頑張りにも期待したいところです。他に戦力としては1回呼ばれている水本ですとか、個人的には森重なんかを試して見てほしいなと思います。
  • SB
こちらは人材豊富。
右は内田がファーストチョイス。コンフェデのメキシコ戦では酒井(宏)がテストされてましたけど見事に穴だと判断され散々つっこまれてました。結果、失点も日本の右サイドからでした。もうちょっと頑張って欲しい。駒野もいますし、場合によっては伊野波や長谷部も右SBはできますし、酒井高徳もいるし。Jリーグでは鹿島の西とか浦和の森脇とか。
左は長友がファーストチョイスですがやや怪我が心配です。怪我明けからはあまり左足からクロスをあげなくなっていて、切り込んでからの右足でのシュート・パスが多くなっているのが気になるところです。メキシコ戦では動けなくなって交代してしまいましたし。次点で酒井高徳になるのですが、最近は攻撃だけでなく守備も良くなってきて長友のバックアップの役割は充分に果たせそうな気はします。駒野や槙野もいるのではやり人材は豊富。個人的には東京FCの太田とかC大阪の丸橋なんかを試して欲しいです。
  • CMF
いわゆる遠藤後継者問題ですね。ここは家長や柏木らが試されてきましたけどいまいちフィットせず。代表だと2-3回の試合でフィットしないとポイ捨てなんですね。あまり集まれないしじっくり連携を高めていく暇なんてないし、合うものがいるまで探すというのは懸命な判断だとは思います。
今時点で遠藤、長谷部の次点としては細貝になります。場合によっては高橋もそうなのかな。今野も中村もボランチはできるのでバックアップメンバーについてはケアされているのかなとは思います(あと本田も香川もボランチの経験者ではあるが)。とはいえ、怪我などでどうなるか分かりませんので新鮮力は試すだけ試しておいた方がいいのかなと思います。ここで候補にあがるのは、鹿島の柴崎と五輪で活躍したC大阪の扇原、山口。個人的には横浜FMの中町なんかも試して見てほしいです。代表経験者だと浦和の鈴木と阿部ちゃんあたりがてっとり早い補強になるのかなと思います。
  • ST
いわゆる2列目。ここも人材豊富で、新戦力も沢山います。あとはCFも含めた相性の問題だと思うので、いろりろなパターンを出来る限り試してみる他なさそうです。個人的に試して欲しいのは、まず柿谷。チームではトップで使われていますが、ゼロトップの可能性も含めて試して見てほしいです。特に本田がいない時は、香川、清武、乾でもって旧セレッソ同士でなんとかしちゃいなさいよって思うわけです。あとは浦和の梅崎、原口、山田。広島の佐藤もップよりも2列目で使ったほうが良いような気はします。国内復帰した宇佐美や国内復帰するかもしれない大津の奮起にも期待したいところです。
  • CF
ここは一見人材不足のようですが、ザックさんがあまり試していないだけでいい人材は結構いると思います。今までのメンバーだと前田がファーストチョイスで、次点でハーフナー・マイクになります。マイクはポストプレーも上手くなってきてはいるものの、せっかくの高さがあまり生かせない事が多くはがゆい感じです。あとは経験者だと李や森本がいますが、特に李については最近のパフォーマンスはよかったので、あとはチームがちゃんと決まってレギュラーが固まれば復帰もあると思います。新戦力として期待したいのは鹿島の大迫です。五輪の本戦では落選しちゃいましたけど、その後のチームでの成績はかなり良いのと、タイプとして前田と似ているところがあるのでフィットしやすいのではないかと思います。あとは鳥栖の豊田とかC大阪の杉本とか、あとは単純にゴールランキングで名を連ねている、川又とか渡辺千真とかもありだとは思います。あとお試し招集された久保や工藤などにもチャンスはあるかなと。
W杯予選終了後、メンバーに手をいれることを示唆したことはもしかしたら戦術についても見直す可能性があるやもしれません。例えば五輪代表が本戦に向けて大迫を外し永井をトップに据えたように。たぶんその可能性はほぼないですけど、コンフェデで得た収穫を元に(3バックも含め)マイナーチェンジをしてくることはありそうです。
あとはどうしても選手のコンディションなどによって計画変更もありうるので、特に怪我だけはないようにW杯本戦を迎えて欲しいなと思います。