本「オーダーメイド殺人クラブ」

入院中にさくっと読了しました。(入院の話はまた今度)
ちゃんと辻村さんの作品(長編)を読むのは初めてで、特に前提知識はなくさくさくと読み進めました。
最初はただならぬ雰囲気を感じながらハラハラしましたが、読み終えた時にはなんという多幸感。(とはいえ闇はあるけど)
巻末の大槻ケンヂの解説にあったように、もうこれは痛々しい黒歴史をフェードバックさせるストーリーでした。
(コンテンツは違えど主人公たちに感情移入する部分がかなりありました)
ところで舞台が自分の地元の近所ということで、周辺状況が結構しっくりくることもあり、その点でも感情移入の助けになっていたような気がします。
一方で共感しにくい部分としては、女子同士の友情のもつれやスクールカーストの移ろいの部分。
思えばスクールカーストとは、あるいにはあったとは思うけれども、自分は無縁だったような。。。(ただ単に外れ値だっただけかも)

親の気持ちと子の気持ち

最近は何事にも親目線で見てしまうことがあり、結婚式に出てもついつい親の視点で見つめてしまう。

30代に入ってから、親世代の不幸を聞いたり、逆に子どもの誕生報告を聞くようになった。
その度に死生観を見つめなおす時がある。
自分は子どもも生まれ、父は少し前に亡くなっているが、母は平均寿命に近づきつつある。
30代~40代の多くの人が、子を産み、親を看取っていく(あるいは介護していく)フェーズになる。
親の気持ちとすれば、子は元気に育ち、願わくば子より先に現世からお暇したいところだ。
子の気持ちからすれば、まだまだ親は元気で活発で、願わくば自分の結婚や孫を見てほしい気もある。
一応、その親も親の気持ちと子の気持ちが入り混じるフェーズは経てきているはずだ。
晩婚化の影響か、現状はやや従来のステレオタイプから外れはじめているようにも感じる。
例えば、今までは20歳そこそこで結婚し子を産むのが大半であったと思う。それが2~3世代続くと40代~50代で祖父・祖母となり、60代~70代では孫の結婚式に出たり、ひ孫まで出来たりする。
しかしながら、サンプル数は少ないが、結婚式に出ても、祖父・祖母が出席しているケースが少ない気がする。
30代で結婚・出産が2~3世代続くと、50~60代でようやく子が成人し、孫ができるのがその後だ。その孫が結婚となると、平均寿命が延びているとはいえ、結婚式に出席するのはかなり現実味がない。
今の自分としては、願わくば自分の子の結婚式には出たり、孫の顔も拝みたいが、その孫が成人し結婚するまで見届けるまでの自信がない。
(自分の子が結婚・出産の選択するかどうかは別として)
そんなわけで「とりあえず健康維持とボケないように注意しないとなー」と考えるようになり、昔は30歳以上の自分を想像しにくかったが、あぁこうやって壮年からその後の老後を見つめ準備し始めるのだなぁと実感しつつある。

テレビ「烈車戦隊トッキュウジャー」

久々にハマったといいますか、戦隊物としては初めてハマりました。
存在は一応知ってはいたのですが、息子が電車好きということもあり、ずぶずぶにハマってしまうと色々大変そうだなぁと思い、最初は避けていたわけです。しかしながら途中(6号が新たに仲間になる辺り)から見るようになり、あれよあれよと家族そろってハマっていきました。

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本「昨夜のカレー、明日のパン」

ドラマの最終回を見て思わず涙してしまったので、妻が買ってきた本を一気に読んでしまった。やっぱり心の中で泣いた。
木皿さんの作品はどれも同じような所で涙の琴線に触れることが多く、それはおそらくは死生観というか、死者あるいは抗いがたい時間、もしくは目の前から無くなったモノへの意識があるように感じる。特に今回は死者へ意識が強く、見る人によっては多少の温度差があるだろうなぁと思った。たぶん一親等以内の身内の死を経験しているか否かで感想も変わってくると思う。そして、それらを経験をしているのがおそらくは現在「団塊の世代」と呼ばれる方々だと思う。60歳前後となると、親を看取ることも多くなるだろうし、結婚していればパートナーや自分の死を意識する頃だろう。子どもがいれば結婚を考える年頃だろうし、あわよくば孫の顔を見たり成長を見届けたいと思うだろう。そういった願望と叶わないかもしれないという達観、死を受け入れる姿勢が登場人物たちの日常生活のそこかしこに感じた。感傷的といわれればそれまでなんだけども。

ブラジルW杯総評

既に記憶もおぼろげなのですが、なんとももどかしい内容と結果になってしまいました。
ザックJAPANについていうと、奇しくもドイツW杯をなぞるかのような内容と結果でございました。調整不足・経験不足・実力不足とないないづくしなのですが、強いて良かった点をあげるとするならば、それなりに日本も研究される対象になったのだなと思いました。今までのW杯では、どちらかというと、ややなめられた状態で、相手の隙を突いて、勝ち星を拾ってきた印象があります。最初のコートジボワール戦で左サイドが機能不全になった時、そりゃ相手の長所を消しに来るわな思ったわけです。そこでBプランに行くと思いきや、なかなか機能せず。最終手段でパワープレーになった時は何じゃこりゃと思ったわけですが、こういった負けを味わうこともサッカー観戦の味わい深いところです。
個々の選手についてはなかなか評価しがたいですが、いわゆるインテンシティ(未だにいまいち使い方が分からない用語)を感じるプレーをしていたのが、内田であったり長谷部であったり、吉田であったり。コメントの端々にも感じますけど、メンタルという面ではこの3選手はしっかり準備ができていたようでした。ただし、フィジカルでいえば怪我明けというのが悔やまれるところです。攻撃の選手はいわゆる空回り状態で、そこでまとめ役になって欲しかったベテランも空回りしてしまったので、ザックさんとしては賭けに出たと思いますが、見事にハズれてしまったのかなと思います。
まるでドイツW杯の再現したかのような内容と結果でしたが、レベルとしては少なからず積み上がったものを感じましたので、次の監督も決まってどういう方向性になるか分かりませんが、一進一退、次こそは一進できるように、着実にレベルを上げていって欲しいなと思います。

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