ブラジルW杯総評

既に記憶もおぼろげなのですが、なんとももどかしい内容と結果になってしまいました。
ザックJAPANについていうと、奇しくもドイツW杯をなぞるかのような内容と結果でございました。調整不足・経験不足・実力不足とないないづくしなのですが、強いて良かった点をあげるとするならば、それなりに日本も研究される対象になったのだなと思いました。今までのW杯では、どちらかというと、ややなめられた状態で、相手の隙を突いて、勝ち星を拾ってきた印象があります。最初のコートジボワール戦で左サイドが機能不全になった時、そりゃ相手の長所を消しに来るわな思ったわけです。そこでBプランに行くと思いきや、なかなか機能せず。最終手段でパワープレーになった時は何じゃこりゃと思ったわけですが、こういった負けを味わうこともサッカー観戦の味わい深いところです。
個々の選手についてはなかなか評価しがたいですが、いわゆるインテンシティ(未だにいまいち使い方が分からない用語)を感じるプレーをしていたのが、内田であったり長谷部であったり、吉田であったり。コメントの端々にも感じますけど、メンタルという面ではこの3選手はしっかり準備ができていたようでした。ただし、フィジカルでいえば怪我明けというのが悔やまれるところです。攻撃の選手はいわゆる空回り状態で、そこでまとめ役になって欲しかったベテランも空回りしてしまったので、ザックさんとしては賭けに出たと思いますが、見事にハズれてしまったのかなと思います。
まるでドイツW杯の再現したかのような内容と結果でしたが、レベルとしては少なからず積み上がったものを感じましたので、次の監督も決まってどういう方向性になるか分かりませんが、一進一退、次こそは一進できるように、着実にレベルを上げていって欲しいなと思います。


日本の敗退が決まり、その後は純粋に中立的に試合を楽しむことができたのですが、やはり試合の時間帯が厳しく連日連夜の夜更かしあるいは早起きがきつかったです。もう少しずれてくれると楽だったのですけど。
当初の優勝予想はドイツだったのですが、グループリーグ終了後はアルゼンチンに変更しました。前評判やグループリーグの戦いを見ているとドイツが手堅いことは分かりましたけども、アルゼンチンのメッシを中心とした攻撃はかなり魅力的でしたし、ギリギリの戦いを勝ってきていることで、いい緊張感を持って戦えている印象でした。メッシがボールを持った時の流れる時間の違いにびっくり、1人だけ違う時間軸にいる見たいです。まぁなので、ディマリアが負傷していなければ優勝はアルゼンチンだったと思っています。
そして、なんといってもドイツvsブラジル。良くない意味でおそらく永遠に語り継がれる試合でした。なんとも見てはいけないものを見てしまった、そんなバツの悪さです。ブラジルでさえこういうことがあるんだなと。これもまたサッカーの味わい深いところです。
ニューヒーローや新しい戦術の息吹も感じていろいろ面白かったW杯ですが、1点気がかりなのはアジア枠です。アジアからは4カ国出場しましたが、いずれも勝ち星がありません。内容を見ても総合的には他の地域にくらべて遅れをとっているような印象でした。現在、プレーオフ枠の0.5を含めて4.5ありますが、その後、4あるいは3.5枠になるかもしれません。次々回は(まだやるかどうか分かりませんが)カタールW杯ではアジア枠は自動的に1つ減ってしまうでしょうし。すぐに減るとは思いませんが、アジア全体のレベルを上げていってゆくゆくは5枠くらい取れるようになって欲しいなと思います。そんなわけで足元でできることといえばJリーグを見に行くことくらいですから、今年はどこかのタイミングで見に行けたら良いなと思いました。