指南された時はいろいろなパターンを教わったが自分がハマったパターンは、結局よく言われる「起承転結」のパターンだった。おそらくこれに勝るものはないし、作文や小ではない論文、小説や脚本にも適用できる、よく出来た四字熟語だ。
とはいえ、いきなり起承転結を体現できる人は少ないと思うので、それぞれの項目でブレイクダウンしてみる。
- 起
- テーマの絞り込み
- 問題点の洗い出し/分析
- 命題をたてる
- 承
- 仮設1をたてる
- 案1を提案する
- 肯定的な意見を考察する
- 転
- 仮設2をたてる
- 案2を提案する
- 否定的な意見を考察する
- 結
- 「承」と「転」を踏まえて自分なりの結論を導く
- 結論の補強をする
- 具体例、先行的な事例など
- 結論からもう少し考察する
- 期待される影響や効果
- 問題点が残るようであればその旨の記載
たぶん、このパターンに当てはめれば100点中60点程度は取れる。及第点といったところ。小論文は他の教科と違って相対評価となるので、無難な出来栄えだった場合は50点~60点くらいだと思っておいた方が良い。あとの加点は、表現力やテクニックではなく、思考が試されている。いかに普段から問題意識をもっているかどうか。何か困難な問題に直面した時に、思考停止せず、いかに考え行動しているかどうか。なおかつ、受験する学校の思想に沿うものかどうかも重要だ。例えば、発想を重視する学部・学科であれば、いかに人と違う視点を見つけられるかが重要になるし、実直さを求めるところであれば、正確に資料を読み込めているかや、論理展開に飛躍がないかなどが評価の対象になる。
追記
「結論を先に書け」という指南書もあるが、ややミスリードかなと思われる。もし結論を「起」に当てはめる場合、「起」で結論と根拠を記述し、「承」「転」でメリット・デメリット、あるいは具体例を2例ほど挙げた後、「結」では改めて結論についてもう一段深く考察する必要がある。小論文はたいてい原稿用紙2~3枚程度(800字~1200字)の字数制限があり、A4レポート用紙1枚に収まるくらいの字数だ。段落4~5程度で、簡潔にまとめなければならない。結論を先に書いても読みやすいが、「結」であらためて結論に触れることになるのでやや重複感がある。「結」がない場合はひとりよがりな印象を与えかねない。したがって起承転結に沿って構成した方が無難ではある。