小論文の禁じ手

荷物を整理していたら受験生時代の資料が出てきて、もう要らないなぁと思いつつ、ノウハウとしてはちょっと残して置きたいと思ったので、多少オリジナルも加筆してデジタル化してみる。

自分は受験の時に小論文には随分助けられて、その後の大学生活や就職活動、就職後も役に立っている実感がある。他の教科よりも比較的得意となったきっかけとして、小論文の指南をしていただいた塾の先生にまず最初にやっておくべきこととして教えていただいたのが下記の禁じ手である。これさえ避ければ良いというものではないけれども、「禁じ手」を避けることで自然と体裁は整い、後々その理由もよく分かってくるのだけれども、「こうしなさい」という正攻法よりは「とりあえずこれは避ければ後は自由」という方が取っ付き易い場合もある。姪っ子や甥っ子、あるいは自分の子どもが受験の時に小論文があるかどうかも分からないけれども、後々役立つ事があれば幸いである。

  • 「~が」「~だが」
    • 順接なのか逆説なのかはっきりしない印象を与えるので多用は避ける。
    • 順接なら文をいったん切る。
    • 逆説なら文を切って「しかし」を使う。
  • 「連用中止法」
    • 一文に動詞は一つが望ましい。
    • 例「Aという問題があり、Bとういう問題もある」→「問題点は2点ある。第一に~。第二に~」
  • 「やはり」
    • 積み上げた論証が無駄になる印象がある。
    • 独善的な印象を与えかねないので使用は避けた方が無難。
  • 「ともかく」「とにかく」
    • 「やはり」と同様
  • 「―(ダッシュ)」
    • 作文では使っても良い場合もある。小論文では避けた方が良さそう。意図がはっきりせず誤解を与える可能性あり。
  • 「・・・」
    • 「―(ダッシュ)」と同様
  • 「?」「!」・カッコ
    • 「?」「!」は固有名詞ではない場合は使用は避ける。
    • 強調カッコの多用は避ける
  • 「付け足し」
    • 文中の挿入やマスの増幅などは避ける。
    • マス目が決まっている原稿用紙の場合はそもそもルール違反。
  • 一人称
    • 小論文の場合は一人称は基本的には不要
  • 「思う」「考える」
    • 小論文の場合は不要。
  • 「気がする」
    • 厳禁。
  • 言い訳
    • 「よくわからないが~」「考えたことがないが」などは厳禁。
  • 体言止め。述語の省略
    • 論文では使用する場面はない。
    • 体言止め含めレトリック全般は避けた方がいい。
  • 決めつけ
    • 「~であるはずがない」「絶対に~」は避ける。
    • 独善的な印象を与えかねない。
    • 思考停止していると思われる。
  • 自己体験の一般化
    • 自分の体験を「一般化」「普遍化」するのは避ける。
  • 主語の欠如
    • 抽象的な文章になりがち。説得力が無い。
  • 主体性の欠如
    • 結論で「社会」や「政治」、他人に責任を押し付けてしまうのは避ける。
    • 「社会」や「政治」に潜む問題をどう解決するかを問うのが小論文。
    • 開き直りは厳禁。
  • 極論や過激な思想
    • 論理展開は一般的な常識・倫理の範疇から逸脱しない程度にする。
    • 極論を用いることはテクニックの一つではる。小論文のような短さでは使う場面は無い。
  • 「だ・である」調と「です・ます」調
    • どちらかに合わせる。
    • とはいえ小論文も作文も「だ・である」調の方が良い。文字数の節約にもなる。
  • 口語調
    • 基本的に厳禁。
    • 会話文以外では使う画面はない。
  • 適切な読点
    • 一文が長くなりすぎないようにする。
    • 読点を打つ場所
      • 長い主語の後
      • 長い修飾語の後
      • 接続助詞の後
  • 汚い答案
    • 字が上手くなくても、読める字を書く。
    • 印象が悪い答案
      • 文字が小さい
      • 文字が読めない
      • 消しゴムの後が汚い
      • 破けている