本「PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」

Prime Reading (Amazon Primeの特典)で読めたので、気になる企業であったのでつい手にとりました。

筆者はピクサーのCFO兼社長室メンバーだったローレンス・レビー。ドラマティックなエピソード満載なので印象的だった部分だけピックアップするけれども、本書を読む限りでは、彼が居なかったらトイ・ストーリーが世に出ていなかったかもしれない、とさえ思えた。ピクサーの歴史を語るうえで重要人物の一人であることは間違いない。

とにかく驚異的だったのはスピード感。ローレンス・レビーがジョブズに声をかけられたのが1994年11月。そこから、1995年11月トイ・ストーリー公開とIPOをめがけて、たった1年で、選択と集中、資金調達、ディズニーとの胃の痛くなる交渉など、ある意味、彼らは成し遂げてしまった。そして、結果ディズニー傘下になる2005年まで約10年。企業活動がこんなにもドラマティックなのは、正直羨ましくもあり、エキサイティングすぎて、自分がその立場にいたら相当ストレスだろうなと思った。

今となってはピクサーもディズニーも一緒くたに語れれることが多いものの、この歴史を知ってると、なかなか感慨深いものがある。特に印象的だったのは、エンドロールに制作スタッフ以外の名前や、その間に生まれたスタッフたちの子供の名前( Production Babies )の慣例を作ったこと。ハリウッドではご法度だったそうだが、導入の経緯を知るととても心温まるし、それに加えて、とある事情で、彼(ローレンス・レビー)だけエンドロールに載らなかったことは一層切なくなった。

回顧録としてとても読み応えのある一冊でした。