東京の雪

東京の雪にはなかなか風情があります。
雪国とはまた別の独特の雰囲気です。
京都の雪もまた別のユニークさがあります。
沖縄や南の方の雪はちょっと別の(二項対立の)意味が強すぎて
あまり趣き深いとは言えない気がします。
東京の雪と聞くといろいろ思い出します。
アジアン・ビューティという話を書いた時、ラストで東京の雪が出てきます。
雪をかぶった東京の街はなかなかのアジアン・ビューティだと思います。
気が付くと持っていたビニール傘が重くなっていました。
東京へきてこれほど凍えた経験はあまりありません。
いつもより地面をしっかりと蹴って歩きます。
東京の雪で思う事件が二つほどあります。
桜田門外の変と2・26事件です。どちらも今しがたの季節です。
今よりもたいそう雪は積もったのでしょう。
雪のせいでしょうに、どちらの歴史的事件も美しく哀しく想像してしまいます。
雪の青白さと、血の赤黒さのコントラスト。
東京の雪。私は好きです。