CG carnival 2002

 3月31日に
『CG carnival 2002』
に行ってきました。すごく混むだろうと予想していったのですが、
あんまり混んでなかったのよね。あんまり有名じゃないのかな?おかげでゆったりと会場をまわれたけど…。
 結論から言ってしまうと、私はあまり3DCGというものがあまり好きではないらしい。
あと、今回は好きな作家さんもいたけど、有名な作家さんはそれなりに上手だし、コレといった新発見はなくて、
大絶賛するような心境には少なくともなれなかった。
 では、印象に残った作家さんの紹介。
新海誠さん
 今回は『ほしのこえ』というアニメーションを発表。基本的には2Dアニメーションです。随所にすさまじい画力が発揮されてます。
ただ、所々に某アニメの影響が見受けられ、あとキャラクターデザイン・ストーリー構成はまだまだ物足りなさを感じます。
なんか人気があるみたいで上映会は満員でした。これからが期待の作家さんです。
木村俊幸さん
 宇多田ヒカルのPVでCG担当してるって言えば少し分かると思うけど、『FINAL DISTANCE』や
『traveling』のCGがそれです。あと『弟切草』のグラフィックなんかもそうです。クレーアニメーションやったり…。
私としてはスタイルというか世界観が何か好きです。
奥井宏幸さん
 『アフォーダンス』←う~ん、シュールだ………
 う~ん、まぁまぁかなぁって感じです。もっと、こう、熱いのを期待してたんですけど。しょうがないかぁ、
3DCGってあんまり好きじゃないんだもん。

岩井俊二という監督

 さてさて、本業の映画のreviewです。
 私は春学期にシネマトグラフィーを勉強した時に、恥ずかしながら初めて岩井俊二監督を知りました。
課題の映画に「ラヴ・レター」という作品があって、それを初めて見た時めちゃくちゃ感動したのを覚えています。
よくよく考えればストーリー自体は単純でなんてことないんですけど、彼の表現方法はすばらしいモノがあると思います。
というのはちゃんとしたワケがあって、その一つ目の要因は「漫画を見ている感覚」ではないかと思うのです。
 映画と漫画の演出方法はおおかた似通った傾向があります。
彼の作品はどちらかというと長編コミックを読んでいる感覚に近いと思うのです。
映画あるいはアニメーションと漫画の決定的違いは画が動いているか否かという点にあります。
静止画には表現出来ないモノを動画で表現しようとした結果であるのです。
結局は一つの動作をどう表現するかの問題で、どのような動作でも静止画で表現できなくは無いのです。
手塚治虫の漫画が逆に劇場的・映画的と評されるのはその事の証明になっていると思います。
つまり、岩井俊二監督の映画は特殊効果など無駄な動きを省いて最小限のいわば原始的な画であると言えると思います。
 二つ目の要因は「編集」にあります。漫画では一つの動作を表現するのに多くのコマ割りを必要とする場合があります。
たった一コマで表現できてしまう時がありますが(静止画ではコレが一番難しい)
たいてい漫画家とういのはコマ割りが評価の対象となります(ネームと言われるヤツ)。
彼の映画ではこの漫画に似たコマ割りが巧みに組み込まれているのです。
その詳しい分析はおそらく今後私の研究課題になってゆくと思いますが、
もし彼が絵が上手かったら良い漫画家になっていたと思います。
 映画監督を目指す人はとても参考になると思いますよ。
オススメ岩井俊二監督作品
・「ラブ・レター」(感動作です。面白いです)
・「スワロウテイル」(一番、マンガっぽい作品。めっちゃ面白い)
・「フライド ドラゴン フィッシュ」(とにかく面白い)
↑説明になってない(笑)
「リリィシュシュ」はビデオ出たら見ます。

とかく、みなさんは桜の事を『めでたい』花だと思ってるでしょ。実のところ、そうでは無いんです。
3月4月は卒業とか入学とか就職とかいろいろめでたいことがあって、そう言うイメージがすっかり定着してしまいましたが、
どちらかというと古来から『妖』や『狂』の意味合いの方が強いのではないかと思います。
昔々のお話ですが、人が死ぬと墓石の代わりに桜の木を植えたというような話もあります。
桜の木の下に居ると気が狂ってしまうと言う話もあります。
『めでたい』から花見をするのではなくて、いわば不思議な覚醒を味わうために人々は花見をするのではないですかね。
科学的には桜の花粉にはミネラル分と麻薬的な成分が含まれているようですけど・・・。
すでに東京では桜が満開ですが、皆さんは「咲き始め」と「満開」と「散り始め」いつの時期に桜を見るのが好きですかね?
私はだんぜん「散り始め」。ほとんどの友人もそう答えました。あの「儚さ」「わびしさ」日本人の心ですよ。
参考文献
・梶井基次郎:「桜の樹の下には」
・坂口安吾:「桜の森の満開の下」

文化庁メディア芸術祭

 3/3日:文化庁メディア芸術祭
に行って参りました。1時間電車にゆられ、てくてくと恵比寿まで行きました。
「どんなもんかねー」ってたいして期待しなかったのですが、予想以上にものすごかったです。
では、そんな作品をご紹介。
・デジタルアート[インタラクティブ]部門:[大賞]突き出す、流れる
 パンフレットで見た時は『どーせ音に反応して3DCGが変化するのだろう」と思っていたのですが、
会場で見たモノは得体の知れない物体でした。『なんじゃこりゃ』。CGとかそんなんじゃなくてホンモノ。
30cm四方の入れ物に黒い液体が張ってあって、その上20cmくらいの所に円筒がつるしてあって、手とかで音を鳴らすと
黒い液体が『ぶちゅぶちゅ(そんなにいやらしくない)』と音をたてながら鋭利な固まりとなって上っていくのです。
それは気持ち悪いを通り越して感動でした。できれば実際にナマでみて欲しい作品です。伝えにくいですよコレは。
・デジタルアート[ノンインタラクティブ]部門:[優秀賞]After Image
 気づいたら大賞の『安重』という作品を見逃していた・・・。もう一回見にいこうかな。
この『After Image』作品はとにかく「巧い」です。前衛的な作品だけかなとも思ったのですが、
こういうしっかりした作品も賞を受賞しているのでちょっとうれしかった。この作品の作者はFAINAL FANTASY X
のテクスチャーアーティストとして参加しているそうですよ。
・デジタルアート[ノンインタラクティブ]部門:[優秀賞]Beauty Kit
 最高です(失笑)。佐藤雅彦と張り合うくらいのコンセプトの良さ。
テレビCMのパロディっぽいんだけど、とにかく内容が怖い。ある意味こわい。
でも、それが面白い。こんなMADな作品に賞を与えるなんて文化庁もやるなって思いました。とにかく「凄い」としか
いいようがありません。この作品はhttp://www.pleix.net/
見れます。QuickTime化されています。回線重い方はダウンロードしてから見た方がいいかも。是非みてください!
 あとアニメーション部門と漫画部門もあったのですが、まぁ正統派と言われるところが賞を取っていて特に目新しいモノはありませんでした。
学生CGコンテストも開催されていたんですけども、こちらはかえって前衛的すぎて私には少々理解不能というか、理解できても
あまり感動できるモノはありませんでした。インタラクティブ部門でひたすら人が階段を下り続けるプログラムというか作品は
面白かったですけどね。すごく滑稽でした。→[U-18賞]:
地下へ地下へ
 と言うことで、結構よかったんじゃないですかね。

ソルトレイクシィティオリンピック

 長野五輪を間近に体験した私にとっては、イマイチ盛り上がりに欠けた五輪だったと思う。
時差16時間と言うこともあったし、あんまり長野時とメンバーが替わってなかったし。
私的には上村愛子がメダルとれなくて初っぱなからしずんでたので、そのままのテンションで五輪が終わってしまった。
上村愛子は一応トリノを目指すらしいけど、いつ辞めてもおかしくない状態なので、できれば今回メダルを取って欲しかった。
美人つながりで、ミシェル・クワンとサラ・ヒューズどっちが可愛いかと友人と議論。もち私はクワン。
長野の時からのファンで今回は金とってほしかった。
 んでもって、今回、ちょっと気になったのがアメリカの存在。
審判の問題は長野の時もあったし、ホームを優遇するのは暗黙の了解で長野の時も随分良くしてもらいました。
という事で、日本はあまり大げさに言える立場じゃない。と、まとめたいところだが、今回はちょっと状況が違う。
開会式の時から気づいた人もいると思うけど、どうもあのアメリカ同時多発テロのことがチラチラ見えてくる。
ブッシュ大統領の演説といい破れたアメリカ国旗といい、ちょっとはっきり言ってうざい。
広島・長崎の原爆の被害を主張する日本にもときどきそう思うのだが、過去の栄光を自慢するように、
古傷を見せびらかさないでほしいものだ。正しいことを言っていても偽善者に見えてしまう。
 あのテロ以降、アメリカは平然を装うどころか「強さ」を主張してきている。「テロ撲滅」「世界平和」を訴えてきた。
そう言いながら、そこら中で戦争を始めている。まるで「アメリカこそが正義で道徳」であるかのような。
今回の五輪で起きた様々な問題はココにあると思う。旧冷戦の対立はあくまで複線で、日本も含め、まるでだだっ子のように
メダルを欲しがり、騒いで、相手のアラを探す。特にアメリカは「テロ」を仮病にして王様気分で横暴を繰り返す。
そんな五輪だった。
 ※でも、選手のみなさんやボランティア、サポーターはよく頑張ってくれたと思いますよ。
なんだかんだ言って感動してたんですけどね。