映画「イノセンス」

後輩が買ったイノセンスのDVDを暇をいいことについつい見てしまった。
1時間半ちょっと。
内容の濃さ的には30分の連載2話分くらいじゃないかと。
ビギナーファンとしては少佐が出てきて嬉しかった。バトーが男の色気ありすぎて、これで少佐が出てこなかったら切なすぎるよーと思ってたら、少し安心しました。よかったよかった。
押井映画らしく引用が多くて難解でしたけど。
それにしても、絵はすごすぎます。
「美しい」という言葉が一番ふさわしいと思います。
おそらくどの場面をカットしても一枚の絵画として見れる質だと思います。
長編アニメだとたいていそうなんですけど、この映画はケタ違いです。
よくがんばったなぁと感心するばかりです。
本当に美しいです。
実写で同じように、どの場面をカットしても一枚の絵画として見れる映画は少ないです。
ここ最近で覚えているのは「ハンニバル」です。
この映画も芸術性は高いと思います。
そもそもここで言う芸術性の高さ低さは何かというと
違和感がないということでしょう。
美しいという言葉にふさわしいと、まぁ、結局私の直感によるところなのですが。

映画「Jam Films 2」

をみてきました。よさげなミニシアターで。お茶も飲みながらみれるし。
短編映画の4本だてで、それぞれトーンが違ったので切り替えるのがちょっと大変だった。
分析するのは後にして。
やっぱり映画っていいなぁと思いつつ。
自分はここまでの質のいい映画は作れないなぁと思いました。

映画「LoveLetter」

図書館でDVDを見つけてしまい、衝動を抑えきれず見てしまいました。
もう何度目でせう。何度見ても良いです。
もう最初の法事のシーンからじーんと来てしまいます。
ネタバレしてはいけないので、内容は書きませんが、岩井俊二ファンでなくても、一度見ておくことをオススメします。
大学に入って一番最初に感動した映画がコレだったので思い入れが強いかも知れません。岩井俊二監督作品の中では2番目なんですけどね。(1番はダントツで「スワロウテイル」)
今回は技法を中心に見ていたのですが、さすがです。映像の勉強になります。
基本的にスティルは少ないのでその辺は個人の好みになりますが、脚本・演出・構成・編集において勉強になります。
前半は同期パラレルモンタージュから後半では回想モンタージュが絡んできます。
きっとタイムラインを図式化すると複雑であることがよく分かると思います。
独特のカッティングも勉強になります。(カットが多いのは個人的に好きなのですが、これもまた個人差です)
岩井俊二監督のすごいところはいわゆる映像論を自分で発見し実践しているところです。私は方法論を先に学んでしまったので、方法論と本能とのジレンマに悩むわけですが、作り込む研究心を見習いたいです。
参考URL:http://www.swallowtail-web.com/

映画「ピンポン」

※最近、TVでやってたので、前にreviewしてなかったので。
 自称巨匠のI筒監督はけちょんけちょんに批評してたので「えー」と思ってしまった。私はすごくいい映画だと思った。少し音楽の使い方で疑問点があったけれども、その他はほとんど違和感なく見れたので、加えて、ストーリーがかなり好みの展開だったので、久々に満足点だった。みんなが言うほど窪塚の演技はイヤじゃなかったし、ARATAは何度見てもカッコイイし、他の共演者もかなり個性的で良かったと思う。あとTV用にカットしたらしく、無いシーンがあってちょっと残念だった。
 原作が漫画で、そこから映画化されて、いわゆる成功した例が少なく、そうでなくても、漫画に比べて映像の方が質が落ちる傾向がある。まぁ、確かに2時間の枠に抑える方が大変なわけで、それなりに漫画に思い入れのある人は映画の方を批判する人もいるだろう。しかしながら、漫画と映画では随分と表現方法に性質の差がある。当然、趣も変わってくる。むしろ、漫画を忠実に映画で再現するよりは、そのメディアにあった表現方法でストーリーなり、もっと言えばコンセプトすら変えても良いと思う。

映画「アメリ」

今更って感じですが。率直に、これは哀しくなる映画・寂しくなる映画。世界観だけを楽しめば面白いんだろうけど。結構、本質は深いところにあるような気がする。ところで、林原めぐみはよかったんだけれども、やっぱり、字幕版を見たかった。基本的にアンチ吹き替えなので。その理由は、トーンを損なうおそれがあるから。白人が日本語喋ったり、ロシア人が英語喋ったりすると興ざめしてしまう。
 周りの評判が高すぎたせいか、もともとそんなに期待しちゃいけなかったのに、期待してしまったせいか、やや不満だった。何が不満なのかイマイチ分からない。一番最初に思ったのは『ちょっと幸せ。ちょっとため息。でも涙してしまう』だった。最近の精神状態が良くないのか、どんな事でもかなり凹んでしまっていて、楽しいだろう映画を見たところで何か退屈な気がしてしまう。怠惰への侮蔑とか、平和な日常への悲観とか。
 と思うと同時に、アメリに共感してしまっている。似ているのか、そうなりたい願望なのか。『こんな退屈な世の中だけれども』そんな感じである。世界観はとても好きだし、アメリもカワイイし、ストーリーもまぁまぁだし、編集もそこそこだし。しかし、これといって、いわゆるヒットの素質はあるとは思えない。なぜ、こんなにみんなが騒いでしまったのだろうと疑問に思ってしまった。こういう映画はひっそりと見続けられるべきモノで、大衆向けの映画では無いと思う。今、巷を騒がせている「セレブ」とかわけのわからんものに通じているのかもしれないが、そんな流れに勝手に巻き込まれてしまったようなもったいない映画だ
『アメリ』公式ホームページ→http://www.amelie-movie.com