映画「太陽」

誰か有名な作家の引用をしようかと思っていたのだけれど
見つからずじまいだったので率直な感想を書こうを思う。
といっても大きくわけて2点ある。
1つに絵が私好みで圧倒的に綺麗だったこと。
もう1つはイッセー尾形の演技が巧いということ。
前置きとして、これは明らかにエンターテイメントではないので
それは最初から分かっていたのだけれど
それを断っておかなかったので、一緒にいった友人には大変申し訳なかった。


さて、見終わってからいろいろな人の感想をみて回ったのだけれども
詳しい歴史的な考察はそちらを検索してもらいたい。
あまり自分は詳しくないので、安易に批評できない。
それに、この映画は事実な部分とフィクションが混ざり合っている。
それを区別できないうちに思想的な思考を巡らすと危険なのであまり深く考えないが
監督の意図としては極めて冷静な立場で天皇という存在をとらえているような気がした。
自分が小学生になる前に昭和天皇はご逝去されてしまったので
生前の姿の記憶はさっぱりなのだけれども、資料映像とかを時折目にしていたので
それらから判断して、イッセー尾形の演技は本当によく似ているなと思った。
映像についてはますます私の趣味なのだが、
コントラストは強調しつつ、彩度はかなり落としている。
自分で作った映画でもとった手法だが、かなり極端だ。
白黒に近いものの、高画質なので
被写体のエッジは際だち網膜に異様に焼き付く。
個人的にはかなり好きだ。
先にも言及した通り、これはエンタテイメントではなくおそらくアートだ。
監督はドキュメンタリー出身なので、メッセージ性が強いものの
観客を手取り足取り最初から最後まで楽しませるような類のものではない。
興味のある方はみてほしい映画だ。