危うい人

私は危うい人を好きになる。危なっかしい人とも言う。別に色っぽい意味ではなくて、老若男女問わず好きになる。好きになるけれども、深くつき合おうとはあまり思わない。たぶん、プライベートで深くつき合うと、私の方が勝手に心配して神経衰弱になり、おまけに疲れると私の方から勝手に縁を遠ざけようとしてしまうのが容易に考えられる。それに、プライベートを知ると興ざめしてしまいそうで、それが怖い。だから、遠くから見ていたくなる。危うい人は何かしでかしそうな雰囲気がある。そういう雰囲気が好きなのかもしれない。実際に彼らの作るモノとか作品とか文章とか好きである。
勝手な妄想だけれども、危うい人は、生命力が漲っているというか、こぼれ出ているというか、いつか張りつめていた糸が切れて倒れて消えてしまいそうで。たぶん、その人は自殺願望なんてなくて、とても前向きなんだろうけど、その姿勢がますます私を懐疑的にさせる人なのだ。「この人には何かある」なんて肥大妄想してしまう。
危うい人はだいたい私と正反対な人が多い。頭良くて才能溢れていて前向きで行動力があって、それらにコンプレックスを抱きながらも、いつのまにか彼らの(隠れ)ファンになっている。
う~ん、やっぱり好きなんだな。