世界のコマーシャル2003

世界の傑作コマーシャルというだけあってどれも傑作なのはあたりまえ。
海外のCMが新鮮に見えるのは当然なのですが、日本のCMより好きかも知れません。どのCMも映像作品としてのクオリティも高く、しかも広告としての役割を充分に果たしている。最近の日本のCMにありがちな、「ちょっと格好いい事してる」「ちょっと小粋な事してる」というようなCMは一切無かった。加えて、言葉が通じなくても分からなくても、ストーリーや広告の意味がちゃんと分かるのである。少々、下品なところは私は好きではないですが。
つまりは、どの作品もラディカルであるのだ。


□「これは!」と思われる作品をピックアップ
■ホンダUK  ホンダ・アコード  イギリス  カンヌ金
ふとピタゴラ装置を彷彿させますが…。
文句言ってもしょうがない。やっぱりすごい
■サターン  サターンブランド  アメリカ  カンヌ金 クリオ銅
車を人に置き換えた現代社会を描いた映像がなんとも綺麗
■フォルクスワーゲン  ゴルフ・ラビット  ベルギー
AがBを追いかけてるストーリーだと思ったら、実はBがAを追いかけていた…
この発想は私も思いついたのに…。やったもん勝ちですな。
■ナイキ  企業  アメリカ  カンヌ金
これはすばらしいCMだと思う。これこそがラディカル。
オーケストラのチューニング音をBGMにさまざまなスポーツの試合開始前の緊迫感あふれる映像がカッティングされていく。そのカッティングはにくいほど計算され尽くされている。本当にすばらしいと思う。
■ビルバオ・スポーツクラブ  スポーツウェア  スペイン  カンヌ銅
これは下品。だけど面白い。サッカーの試合なんだけれども、選手も観客も全員全裸。そこへ服を着たサポーターが乱入。そいつはつまみ出されるわけです。
■ヘンケル  瞬間協力接着剤  ブラジル  カンヌ銅
瞬間接着剤のCMって万国共通なのかなと思った。発想が似たような所にしか行かないんだろうな。
■ヒューレットパッカード  企業  アメリカ
音を視覚化した世界。一歩間違えれば私の嫌いなCMになったなこれは。
■ネイション・ワイド  信託銀行  イギリス
どっかで見たことある構成の映像だなぁと思ったら。
あの有名なオリヴィエ・ゴンドリーがディレクターだった。
よくあるネタとか構成とかアイデアでも、これほどレベルが高いとため息がでる。
先にやったもの勝ちとも言われるけれども、ディティールを丁寧に作るのも大切だなと思う。