映画「tokyo.sora」

 衝撃的だった。友人がレンタルしたビデオなのに結、私ひとりで見てしまったのだけれども、『blue』というマージンのおかげでちゃんと映画を観ることができた。少し前の自分ならとても観ていられなかったかもしれない。さまざまな人の人生がいわゆる『東京の空の下』で淡々と語られてゆく。モンタージュがやや複雑だったけれども、最後まで観れば仕組みはよく分かったし、メッセージも私なりに受け取ったつもりだ。ただ、それ以上に映画に流れる『時間』の速度が衝撃的だった。
 『blue』はとても時間がゆっくり流れる映画だと思ったけれども、この映画はそれ以上に、『現実ってこんなもんだよね』っと鋭くもじわじわと何か突きつけられた気がした。淡々と何事もなかったように過ぎゆく日常が、とても寂しくて哀しくて、最後には不覚にも泣きそうになってしまった。(といいつつ、泣かなかったけど…ここ数年、泣きたいけど泣けないことが多い)正直、最初は綺麗だけど退屈な映像に憤慨しそうだったが、いつの間にか呑み込まれてしまっていた。
 きっと何かの受け売りなのだろうけれども、母親に言われたことを思い出した。『人の人生の脇役になるな。人生の主役は自分なのだから』この映画を見終わって帰り道「たぶん生きていける。きっと生きていける」とかいろいろ想いを巡らしていた。
『tokyo.sora』公式ホームページ→http://www.tokyo-sora.jp/