映画「アメリ」

今更って感じですが。率直に、これは哀しくなる映画・寂しくなる映画。世界観だけを楽しめば面白いんだろうけど。結構、本質は深いところにあるような気がする。ところで、林原めぐみはよかったんだけれども、やっぱり、字幕版を見たかった。基本的にアンチ吹き替えなので。その理由は、トーンを損なうおそれがあるから。白人が日本語喋ったり、ロシア人が英語喋ったりすると興ざめしてしまう。
 周りの評判が高すぎたせいか、もともとそんなに期待しちゃいけなかったのに、期待してしまったせいか、やや不満だった。何が不満なのかイマイチ分からない。一番最初に思ったのは『ちょっと幸せ。ちょっとため息。でも涙してしまう』だった。最近の精神状態が良くないのか、どんな事でもかなり凹んでしまっていて、楽しいだろう映画を見たところで何か退屈な気がしてしまう。怠惰への侮蔑とか、平和な日常への悲観とか。
 と思うと同時に、アメリに共感してしまっている。似ているのか、そうなりたい願望なのか。『こんな退屈な世の中だけれども』そんな感じである。世界観はとても好きだし、アメリもカワイイし、ストーリーもまぁまぁだし、編集もそこそこだし。しかし、これといって、いわゆるヒットの素質はあるとは思えない。なぜ、こんなにみんなが騒いでしまったのだろうと疑問に思ってしまった。こういう映画はひっそりと見続けられるべきモノで、大衆向けの映画では無いと思う。今、巷を騒がせている「セレブ」とかわけのわからんものに通じているのかもしれないが、そんな流れに勝手に巻き込まれてしまったようなもったいない映画だ
『アメリ』公式ホームページ→http://www.amelie-movie.com