映画「Lily Chou-Chouのすべて」

気づいたらレンタルが始まっていたので借りて見ちゃいました。
岩井俊二監督の作品には影響も受けているし、好きな作品は多いし、前々から注目していた作品の一つではあったのですが、見に行くほど熱っぽくはなく『どーせレンタルされるだろう』と思って、結局、1年ばかりの時差の後に観賞することになりました。
星野君かっこよすぎです。
そんなことは置いておいて、この作品は色々な面で賛否両論分かれる作品だなぁと思いました。個人的にはストーリーは大好きだけど、撮影方法や表現方法はちょっと不満に感じました。
『ストーリーについて』
すなわちこの映画はイタイ映画で最低サイアクなことばかり続きます。ただそれだけなら、ただのイタイだけの映画になってしまいます。淡々と彼ら(登場人物)の現実が伝えられるだけなので、観客のとらえ方で良い映画にも悪い映画にもなりうる。ワケです。そこの部分で好き嫌いが分かれるところでもあると思います。ハリウッドの様な身を任せていれば楽しませてくれるあくまで娯楽としての映画ではありません。
この映画は深い深い問題を提示しています。今、現実に起こっていることかもしれない、少なくとも彼ら(登場人物)の心の中でまどろむ感情に似たところを、私たちの世代は感じているのではないかなと思います。何がリアルで何が虚構なのか。その辺の話をし出したらキリがなにのでやめます。
『表現方法について』
撮影方法と配置演出法と編集方法を併せて表現方法と言うことにします。
ひとこと。酔った。ひどく酔った。ゆらゆらゆらゆら。岩井監督らしいところもあったけど、どんな手法をとったかも知ってるけど、決してラディカルではないなぁと思ってしまいます。あと作品全体がやや間延びしてしまっていると思います。大衆向けではないと言ってしまえばそれまでなのですが・・・
とても哀しいストーリーです。とても綺麗なストーリーです。見終わった後はかなり凹むので、落ち込んでいるときに見るのはオススメしません。が是非みてもらいたい作品ではあります。